ハムレット・ゴーズ・ビジネス

■ある企業の社長が何者かによって毒殺された。
　その息子・ハムレット（ピルッカ＝ペッカ・ペテリウス）は父の残した会社を継ごうとするが、彼の伯父クラウス（エスコ・サルミネン）が会社の乗っ取りを企てていた。
　ハムレットは会社の権利を守るため、ある商品の世界的独占権を武器に伯父と対立する。

◆感想＜Caution!内容に触れています。＞

・私はアキ・カウリスマキ監督の中期から後期の作品が好きである。弱者の視点で、彼らを温かく見つめる作風がである。
　特に「労働者三部作」と「敗者三部作」は好きである。
　序でに言えば、趣が全く違う不可思議コメディ「レニングラード・カウボーイズ」シリーズも好きである・

・今作では、中後期の監督のスタイルは出来上がっていない。
　逆に、富と地位を得るために平気で親をも毒殺する男の姿が描かれている。

＜但し、作品のそこかしこにアキ・カウリスマキ監督らしいユーモアや後年の監督のミューズになったカティ・オウティネンがオフェリアを演じているのは嬉しい作品である。＞
フィンランドの名匠、アキ・カウリスマキ監督がシェイクスピアの傑作に着想を得て制作し

ドミートリイ・ショスタコーヴィチ　交響曲第7番in C major
ドミトリー・ショスタコーヴィチ 交響曲第11番 "The Year 1905":
ピョートル・チャイコフスキー
交響曲第6番ロ短調 作品74
以上クラシックなんだけど、シベリウス使ってない！

アキ・カウリスマキの作品としてシェイクスピアを題材に淡々と無難に撮った感は否めない、サスペンスの要素は緊張感として保たれずにそこがブラックコメディを漂わせるにしても何かが足りない、カティ・オウティネンをヒロインとして地味過ぎる扱いにちょい役ながらマッティ・ペロンパーは充分な存在感だが物足りない。

作風に合わないようなフィンランドのネオロカバンドＭＥＬＲＯＳＥのライブが唐突に始まるのは意表を突かれる格好良さで一気に目が覚めた瞬間を味わってスッキリした！？