「映画通は絶対に泣けるはずの映画」ニュー・シネマ・パラダイス 3時間完全オリジナル版 ユースケさんの映画レビュー(感想・評価)
映画通は絶対に泣けるはずの映画
物語の舞台となった時代や場所を経験していなくても懐かしさを感じさせる極上のノスタルジア…
美しいシチリア島の景色、イノセントな登場人物たち、私は何度も何度も寝落ちし、メニュー画面で流れるエンニオ・モリコーネのメインテーマに揺り起こされるのだった…
友人にレビューを書いて欲しいと頼まれたので、いい機会だと思って鑑賞しましたが、泣ける映画の代名詞のような本作から溢れ出る笑いも涙も感動も心が汚れちまった私には全てが嘘臭く作り物に感じられ、ナチュラルにぶち込まれる泣けるシーンでは、私の天邪鬼な心が私の涙腺に蓋をしてしまうのでした…
とりあえず、【グレートハンティング 地上最後の残酷】【グレートハンティング2】【グレートハンティング84】【残酷を超えた驚愕ドキュメント・カランバ】のマリオ・モッラが編集した銀幕のスターたちのキスシーンを繋いだアルフレードの形見のフィルムをアルフレードのズリネタと称し、感動のラストシーンを失明した腹いせ(もしくはテストの回答を出し渋った腹いせ)に恋愛の邪魔をし、形見にズリネタを残してトドメを刺したアルフレードの復讐劇と語った私は友人にサイコパス扱いされてしまいました!
だって、トトを映画監督にしたいのはアルフレードの独りよがりだったし、エレナと結ばれなかったトトは心に穴が空きっぱなしだし、アルフレードの形見のフィルムを見つめるトトの表情は「アルフレードにハメられた…」という諦め笑いに見えなくもなくないでしょうか…
アルフレードの葬式でアルフレードの愛人になっていたエレナがトトが再会するシーンなんて妄想するとドキドキが止まりません!
トトとエレーナの恋愛に焦点を当てた【完全オリジナル版】が全部悪いんだ…【劇場公開版】だったら絶対泣けるはずなんだ…