ニュー・シネマ・パラダイスのレビュー・感想・評価
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お前は俺よりも盲目だ
トトにとってアルフレッドはどんな存在だったのか。 逆にアルフレッドにとってトトはどんな存在だったのか。 絶対にこの街に帰ってくるな。むかし射影室に好きで夢中ったように何かに夢中になれ。ノスタルジーなんかに浸るな。 アルフレッドは全てわかっていた上で大好きたトトを成長させようとした。 その望みが叶うかのようにトトはアルフレッドから全て教わった。射映、恋愛、街からでること。小学校のテストだけはトトが教えてたね。 自分のようにはなってほしくない、もっと自由に生きてほしい。そう願って盲目の自分より世界をまだ見てないトトに向かって盲目だと言ったのかな。 そんな2人の関係が友達以上親子未満、あたたかくもどこかリアルで熱いものがこみ上げてきたよ。 そしてなんといっても小さなシチリアの街の世界観。そして劇中で流れる音楽。これらがまたたまらなく映画に引き込ませる。素晴らしい映画。
甘美なノスタルジーがやるせなく心を動かす
海外用の編集版、即ち短縮版を鑑賞。昔の名作が沢山登場も一部しかわからないのは少々残念。とは言え、この監督、誰もの持っているだろう失われていくものへの切ない気持ち、そして郷愁と初恋と、名作映画と大好きだった大人への想いを掻き立ててズルイ。しかし、少年の無邪気さと映画技師役の素晴らしい演技と、女優さんの美しさ、綿密に組み立てられた脚本、そして心揺さぶる映像テクニックと美しい音楽が相まって、大きく感動させられてしまう。 これだけの甘いノスタルジックな物語を最後まで納得感を持たせたまま見せる監督のジュゼッペ・トルナトーレ、作品を見るのは初めてになるが見事な構想力と演出力で感服させられた。オリジナルの長尺版、そして他の作品も是非見てみたいものだ。
この期に及んで初鑑賞
何故か今の今まで、映画館ではもちろんのこと、レンタルしてみる事もなく、地上波でもBSでも、見る機会を逃し続けてきた作品。 あらすじも知っているようで知らなかった。 アルフレッドを通して、トトの成長を綴った作品だったんだね。 若い時に観ていたら、そこまで感動出来なかったかも知れない。中年になった今だからこそ、ジワジワと涙が溢れる感動を覚えました。 やっぱり映画はいいなぁ。映画館で観られたのも良かったです。 オープン記念でワンコインというのが申し訳ないくらい、良い昼下がりとなりました。
【王女と兵士】
昔は、僕の田舎のそれぞれの街に、映画館が一つや二つあった気がする。 今でも、県庁所在地や少し大きめの街には映画館はある。 でも、小さな街の映画館は、郊外のショッピングモールに併設されたシネコンに取って代わられ、閉鎖、取り壊された。 僕の85歳を超えた母親は、ジェームズ・ディーンがお気に入りで、「ジャイアンツ」が好きだ。 ジャイアンツで、ジェームズ・ディーンは主役ではない。 なぜ、「エデンの東」や「理由なき反抗」じゃないのかと聞くと、巨万の富を築きながら、愛を手に入れることが出来ないジェット(ジェームズ・ディーン)にどこか感情が揺さぶられるらしい。(単にカッコいいから好きで、感情が揺さぶられるだけだと僕は思っていますけどね😁) そして、その後間もなく、ジェームズ・ディーンは交通事故で亡くなるが、それも、この作品を印象付けているように感じるというようなことを言っていた。 こんな悲劇のストーリーで、僕の母親のカタルシスは刺激されていたのだ。 たぶん、多くに人に、感情を揺さぶられたり、胸躍った映画がひとつやふたつは、あるに違いない。 この映画は、そんな人々に向けた作品なのだ。 「ニュー・シネマ・パラダイス」のなかで、アルフレードが、青年になったトトに話す「王女と兵士」の物語。 なぜ、100日目を前に兵士はバルコニーの下から立ち去ったのか。 人によって答えは様々なように思う。 立ち去る理由は人それぞれなのだ。 映画館が無くなっても、映画と共に過ごした日々は無くなりはしない。 記憶が薄れない限り、映画の物語も心の中に残る。 だが、日々を無為に過ごさず、サミュエル・ウルマンの「青春の詩」のようにつねに瑞々しい気持ちでチャレンジすることはもっと大切で、きっと映画の物語も、何か手助けしてくれるに違いない。 「お前の声を聞くより、お前の噂を聞く方が良い」 そうやって人の足を引っ張らず、人の背中を押し合えるような世の中であれば良いと思う。 そして、安易に答えを求めず、考え続けることも大切だ。 王女と兵士の物語をふと考えるように。 エンディングのフィルムから切り取られたキスシーンの数々。 静かなもの、情熱的なもの、笑顔のもの、抑えきれない感情など、全てのキスシーンの背景には異なる物語があるのだ。 僕達、ひとりひとりにも違う物語が隠されているように。 この物語は、映画を愛する全ての人に向けたメッセージなのだと思う。 あの優しく流れる音楽を作ったエンニオ・モリコーネが7月に亡くなった。 早くコロナが終息して、まあ、イタリア人だけに限ったことではないが、世界中の人が、前のように気軽にハグしたり、キスしたりできる世界が戻ってくればいいと心から思う。
何気ないシーンで涙があふれて止まらなくなった。なんだろー、今の自分...
何気ないシーンで涙があふれて止まらなくなった。なんだろー、今の自分が無意識に渇望してるものがこの映画には詰まってる感じがした。50セントをめぐる優しい嘘や、ほどけていく毛糸や、切れ端を繋げたフイルムに、忘れちゃいけない大事なものが宿ってる。
なんか良いね
すごく特別なストーリなわけでもないし、俳優さん方がめちゃくちゃ素敵とかかっこいい、かわいいと言うわけでもない。と言っては失礼だがこれは率直に私が思ったことだ。 でも、なんだかいいな、ジーンとくるなってなる心温まる後世に名を残す映画なのだと思った。アルフレードがトトを可愛がる様子は、本当に心から良いなと思ったし、またトトがアルフレードを慕う姿も自然と笑顔になるそんなシーンばかりで本当に良かったなぁ。 だがその後、幼少期のトトを演じた俳優さんの将来の姿を知って、心が苦しくなってしまった。
玉手箱が開く時、過去の大切な贈り物が蘇る。
日本の浦島太郎はお爺さんになったけど、イタリアの浦島太郎はこれからも歩み続ける勇気を貰った。 温かいものがこみあげてくる。そしてそれは涙になる。 悲しいんじゃない、憐れみでもない。自分が愛したもの、愛していてくれたもの、そんなものに改めて出会えた喜び。 「自分を愛せ。子どもの頃映写室を愛したように」アルフレードが言う。 映画好きにはたまらない。トーキーもちらっと出して、映画の初期から、TVの普及により映画の存続が危ぶまれた時代を駆け抜ける(結局、閉館した映画館はあるものの、映画そのものは衰退していないけどね)。映画が皆にどれだけ愛されていたか、街の人々の生活を織り込みながら話が進む。 別に、時折映画中に上映される映画について知らなくてもいい。映画の中の観客と同じ思いで映画を観た人ならば、十分その世界に入っていけるはずだ。締めだされてのブーイング。トトと同じキラキラした目で映画を観られればそれで、貴方はその世界の住人になれる。加えて、「へえ、トーキーってこんな感じだったんだ」「フィルムってこんな感じだったんだ」と当時の世界に浸れれば十分。 その物語を引っ張っていくのは、学歴はないけど人生の知恵が詰まった老映画師と、映画が好きで好きでたまらないトト。特に少年時代、あそこまで好きになれるものがあるってうらやましい。そして誰もなりたいなんて思わないだろうと思いつつ、密かにプライド掛けてやっていた仕事に、憧れてくれる小さな存在を知る。こんな幸せなことがあるだろうか。しかも、師と弟子のような二人を、悪ガキの友達にも見えるような描写(ex小学校卒業試験)。たまらない。一つ一つの当時の描写が丁寧に紡ぎだされる。 久しぶりに帰った故郷。浦島太郎。喪失感。基盤を失った気分。故郷は遠くにありて思うもの? そんな気分に包まれている時に出会うあのラスト。 アルフレードは「帰ってくるな」と言った。「帰ってきても会わない」と。だとしたらあのフィルムはトトの為に取っておいたものではないのかもしれない。とうに捨てられたと思っていたのに大切に保管されていたもの。扱い如何によっては事故につながるのだから、いかにアルフレードが大切に扱ってきたのかが一目瞭然。しかも、上映できるように、繋ぎなおしてある!映写室・映画館での思い出があぶりだされてくる。それを大切にとっておいたアルフレード。 原点回帰。大切な人との思い出。それはトトにとっても、アルフレードにとっても。 そんな想いがグチャグチャになって、突き上げてくる。熱い思いが涙となる。 人生のいろいろな想いが押し寄せてくる、それでいて温かい気持ちに包まれる映画です。
名画のシーン
いまさらですけど、一度は見ておかな、と… これ見ないと映画語れんよ、と娘と見る。 長いね(^^;) 劇場にかかる白黒の名画、この名シーンを知っている前提で この映画の人気の高さがあるんだろぅな… 映画好きのおっさん達垂涎ていう
『自分のすることを愛せ』
アルフレードがお別れの時に言ったセリフ 『自分のすることを愛せ』は心に温かく染み渡りました。 その言葉はとても単純なのに、とても深くて グッと背中を押してくれる素敵な言葉だと思いました。 ニューシネマパラダイスの有名な主題歌、 この音楽がフワっと包み、 悲しいけどとても温かい人の関わり、出会いを想わせてくれます。 2回目の視聴でしたがやっぱりいいですね。 自分の仕事や環境が、うまくいかず落ち込んでいたり 自信がなくなっている時に観たい。 まるで自分がトトになったような 少年になってアルフレードがそっと強く、冷たく、温かく 応援してくれてるような そんな気がします。 大好きな映画です。
映画愛に溢れる名画
今回、この映画は初見、かつ一切のネタバレ無しで観ましたが、うーん、なるほど、良い意味で映画通がいかにも絶賛しそうな映画だな、という感じがしました。 初上映から30年以上経った今でも各地の名画座で頻繁に上映されるのも納得です。 というかこの劇中で流れる映画も名画ですしね。 観る前は全編を通してすごく静かな映画を想像していたのですが、実際は想像していたよりかなりドタバタで騒がしい映画でした。特に前半のほうは。 私はこの映画よりタイタニックのほうが泣けましたが、名作であるのは間違いないと思います。
映画は娯楽じゃない、芸術だ
久しぶりに涙が止まらなかった。ああ映画っていいなあ、純粋にそう思えるような作品だった。 映画はいい、けど映画というものは所詮娯楽、そう考える人も多いだろう。確かにそうかもしれない、特に今は劇場に行ってもトリッキーなジャンルの映画は放映されてないし、逆に選択肢が多い動画配信サービスで好みの作品をいつでも見れるのでわざわざ変なものは見ないだろう。 しかしこの映画が舞台となった主人公の幼少期の時代は当然ネットも何も無い、レンタルビデオ店も無い時代だ。そんな時代の田舎の楽しみは映画だけだろう、それは金持ちや貧乏人、知識人や字が読めない者も関係なく楽しめるからだ。 映画が唯一の娯楽だった時代、映画は自由だった、ジャンルが広かったのだ。短絡的なアクションや訳の分からない芸術作品、ただのエロもの、これらにどっぷり漬かり大人は熱くなり、子供は夢を見たり、社会の汚い部分を学んだ。 恐らく今を生きる若者よりも映画というものが人生において占める位置が大きかったに違いない。これら喜怒哀楽が豊かだった時代の映画を娯楽という一分野で簡単に片付けられるはずがない、そう感情を映像化した究極の芸術作品である。 この映画はそんな時代の映画を愛し、懐かしむ人々に見てほしい作品だ。 仮にそんな時代の映画を知らない人にはただ映画が好きで好きで仕方ない、そんな純粋な子供心を疑似体験でき、楽しむことができるだろう。
郷愁と初恋と恩人への想い…
ずっと敢えて観なかった映画…ついに鑑賞。 大人になれば誰もが感じる郷愁や昔の恋人への想いや大切な人との別れ… それにプラスして名曲を絡めてくる狡猾さ! ええ作品ですね!名作じゃわ。 特に大人になったトト役の人が良く最後にグッと引き締まった感じ。 スタンドバイミーを観た時と同じ感覚だった。 ひとつ思うのは母親が30年も子供に会えず可哀想。
20年ぶりに鑑賞!
エンニオ.モリコーネの追悼の気持で鑑賞。 自分が若き日に初めてこの映画を小さな映画館で鑑賞した時、映画史に残る、名ラストシーンに衝撃を受けたことを思い出しました。 その後、DVDが発売され当時、いの一番で買ったDVDを約20年ぶりに鑑賞しました。 やはり名作ですね!映画好きで観てない人には、是非観てもらいたい作品だと思います。
泣かせる名セリフ 『俺を忘れろ』、 イタリアの寅さん
青年が、師匠と分かれる場面。 師匠が青年に言う。『俺を忘れろ。お前とは会わない。』 青年は、師匠の深い愛情を即座に理解し、静かに一言『グラッツエ』(ありがとう) 『男はつらいよ』 寅さん的な、温かさ。いい涙が出ました。
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