劇場公開日 1989年12月16日

「トトが映画監督になったとは劇場版は語らず」ニュー・シネマ・パラダイス 巫女雷男さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5トトが映画監督になったとは劇場版は語らず

2019年8月23日
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鑑賞方法:映画館

幸せ

萌える

完全版はメディアで拝見済み。
劇場版はこの午前十時の映画祭ファイナルにて初めて鑑賞。

私はこの映画を腰を落ち着かせて観た事が無い。
完全版でも2時間半超えの作品。長いw
なので、この劇場版が個人的に上映時間(124分)が丁度良かった。

あらすじとすればイタリア・シチリア島の村に生まれたトトが映画との触れ合いを通じて成長・人生を経過して行くお話。回想スタイルです。

トトの人生×映画館ノスタルジアが上手く融合した作品。映像的にはおちゃらけ感と洒落てる感が交互に。
やっぱり音楽は秀逸。ラスト手前のトトが廃墟になった映画館を懐かしむシーンはジ〜ンと来ます。
先見の明があり、映画才能あるトトに衰退する地元を離れる様アドバイスしたアルフレード。何も言わず地元を離れたトトに何も言わず信じ続けたトトの母。そして30年ぶり凱旋でも少年トトを昨日の様に覚えてくれている村の人々。
トトを通じて村の栄華とその後の衰退も見えて来ます。

シネコンが無かった時代、単品映画毎に入れ替えが無く、二本同時上映があった時代。更に遡れば、都市部には映画館が配給会社毎にあった栄光の時代。または映画館などが無い地方では特別に小学校体育館などで地元住民を集め上映会をしてくれた時代。物が溢れている時代で無かったので、映画という娯楽は実施してくれるだけで街中が嬉しかった時代。TVやビデオでは無く、映画が栄華を極めていた時代が日本にもありました。そんな時代がトトの村と重なり合います。

そんな時代の流れを懐かしみ、映画館を通じ地元の衰退・変化に自分を重ね、ノスタルジアを感じ取れる人が好む映画です。

40代、田舎育ちの私が映画館ノスタルジアをギリギリ共感出来る範囲であるし、観る人の年代で映画評価の振り幅は大きいでしょう。

作品としては若い人は共感できず楽しめないかも知れません。
しかし、映画館アーカイブスとして感じて頂きたい。
こんな映画を楽しむ観客の時代がありましたと。

トトが受け取った最後のフィルムは昔の約束と愛が詰まった贈り物フィルムだったのだろう。
(映像的にも愛のシーン寄せ集めフィルムですから。)
映画ならではの洒落ているエンドです。
(アルフレード、洒落た作品作ってくれてんじゃんbyトト映画監督的。)

巫女雷男
ワンコさんのコメント
2021年1月15日

ドンマイです

ワンコ
コンブさんのコメント
2019年8月24日

自分的には エレナと再会するも 一緒になれない
せつない感じ と アルフレードの魔法 と 母と子 と
なんとも言えんグチャグチャな気持ちに…
人生のワビサビみたいな…

良い映画観たなーて気分になります。

コンブ