2001年宇宙の旅のレビュー・感想・評価
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謎が多い
スタンリーキューブリックの作品
「時計仕掛けのオレンジ」を観ていたので、かなりの衝撃作品かと構えて観ることにした。
思っていた以上に謎が多い。
冒頭の猿の登場から後半にかけて人類の宇宙の旅行。
詳しく説明もないままに物語が進んでいく。
気がついたときには、終わってしまった。
でも、この作品は、説明をして分かるものではないと感じた。
絵画の様なそんな感じです。
自分の体験や経験から物語をどう捉えるのか?
それが必要になってくるのかもしれない。
今の時代の分かりやすいものが多いけど、こういった作品に触れて観るのも悪くない。
何十年も前にこれだけの撮影技術があったのかと思わせるくらいの圧巻の映像美でした。
また、時間を置いてから観たいと思いました。笑
ねむー
覚醒するとはこういうことか
色・色・色。色の洪水、ただただ、圧倒される。
そして放り出されたような、難解な場面。
光だらけの部屋、なのに調度はロココ調。なんで?魂の故郷はロココ形式?
時間空間の歪み?3次元を超えた4次元の世界?
光の洪水の前の緊迫した、そして一転してスローな音声から突然、放り込まれる世界。
解釈を試みないと、自分自身が解体していくような。
自分という枠さえも超えた世界に放り込まれそうな危機感…。
とにかく、圧倒的な情報を一方的に浴びせられ、体験させられ、ただただ、受け取るほかない。
有無を言わさない、拒否することもできない。
ただ、その場で受け取るしかない。
こちらのキャパを問うこともなく…。
何が起こっているのか…?私に、宇宙に…。
理解なんてできない。
ただ体験させられるだけ。
感覚のみの世界。
統合失調症の幻覚の世界ってこういうもの?
人の理解を超えた世界ってこういうもの?
ただただ、その世界観に圧倒される。
心が、理性が、解放され、放出されるって、こういうこと?
そんな異次元を疑似体験させてくれた気分になれる映画です。
映像の完璧さは言うまでもなく、
クラッシック曲を使った優雅な世界との対比。
すべて計算づく?
こんな感覚の映画を、理詰めで作ってしまう監督。
どういう精神構造をしているのか。
ただただひれ伏すばかりです。
ニーチェの『ツァラトゥストラはかく語りき』の冒頭「神は死んだ」。
欧米諸国で神と言えば、キリスト教?聖書を元にして、唯一無二の教義を理解する世界。
そんな世界は終わり、新たな、自分なりのものを作りださなければいけないということか。
寝ているときにみる夢のような映画。
断片をつなぎ合わせて物語を紡いでみて自分なりの物語を作ると見えてくるものがある。
でも、時間が経って、以前とは違うアイテムに焦点を当てれば、また違う物語ができて、別のものが浮かび上がってくる。
完全癖の監督が作り上げた映像。細部にもどんな意味・仕掛けが隠されているのか。
音楽も監督のこだわり。何よりも監督の想いを雄弁に語っている選曲。
心地よいクラッシック。
不愉快な、羽音ととも聞こえる雑音のような合唱。
抑揚はないけれど、宇宙飛行士よりは低い温かみのあるHALの声。
何度も思い出して夢想して何度も楽しめる映画。
監督のしかけたミステリー。
想像力を喚起させられる映画とはこういう映画をいうのだと思う。
綺麗な映像
①進化(成長)はしていないという事
猿のところでは、弱肉強食が描かれています。
肉食に食べられる猿と、武器を持った猿が縄張りを犯すところです。
動物時代の弱肉強食と現代の争いでそれを描いています。
さらに黒い物体が出てきた時です。
猿も恐る恐る手で割っていましたが、月で初めて「現代人」が触る時もてで恐る恐るでした。
全く変わらない行動をしています。
HALLも自分がやられることを恐れて、クルーを追放しました。
その点でも、「進化(成長)はしていないという事」が描かれていると思いました。
②確実に進化をしているという事
・映画の本旨
まず猿(人=man)が映し出され、そこから現代人へと行きますが、ここはわかりやすいです。
そして、月を越えて木星にいく点、技術の向上、宇宙食の話でも成長をしているとわかります。
それの現代人を凌駕してきたのが、HALLです。デイブひとHALLは人の進化の先で、さらに黒い物体が進化の先であると、これがこの映画の本旨だと思います。
HALLという存在が人の進化の先ということを後半で、示しています。
デイブが木星近くになり、電子の目線になります。
その後、大地を上から見おろした視点が色が淡白となり映し出されます。これが、黒物体の磁力で見た時の、世界です。
猿さらに現代人、HALL、またその上の高次元の黒い物体目線です。デイブの目がたまにカットインしていたのは、この黒い物体の目線ということを伝わりやすくるためではないでしょうか。
最終的に、デイブは高次元の存在となり、自分で思った通りの、世界を自分の中に作り上げます。
しかし、この進化の過程でまだ、人が残っているので、歳をとる自分、老いていく姿を想像(創造)していきます。
しかし最終的に自分の目の前には、「黒い物体」が出てき、それが自分となります。
ここで、進化を過ごします。
胎児となったのは、その「新たな生命体」を示すためです。
進化を表した映画だと思いました。
・劇中での見せ方
音が聞こえる部分と聞こえない部分、さらに聞こえ出す部分です。
猿の時はもちろん音は聞こえる、
現代人の時もです。
HALLが出てきてから、音が少なくなります。
これは現代人にはHALLの声が聞こえないからです。
しかし、デイブが木星に近づき、上記の過程で進化をするとまた、音が途絶えることなく、聞こえます。
これはデイブが進化し、黒い物体へとなったことをわかりやすくするためだと。
ラストが難しすぎる。
ここまでの難解さは珍しい。
「木星 そして無限の彼方へ」まではバッチリ理解していたつもりだったが、ここは分からない。
ただ、wikiを読んでみると、表面上で感じたこと殆どそのままだったので、そんなに必死に噛み砕こうとする必要はなかったのかもしれない。
ストーリーは最初の猿の時代から追う人類の進化。モノリス登場から道具の使い方を覚え、舞台が宇宙に移り月にモノリスが存在すると分かれば、人間の脳を更に高精度にしたHALと木星へ。HALの暴走を止め、必死の命乞いにも耳を貸さずに木星へ到達するボーマンは例のモノリスに出会うと異次元の映像が流れるが、ここがかなり長く、気が狂いそうになる恐怖感に襲われた。王室のような部屋に行ってからはなかなか理解し得ない世界観だったので、またいつかしっかり消化したいと思う。
当初美術に手塚治虫の協力をオファーしていたらしく、少し見てみたかった。ただ、1968年公開とは思えないほどの映像美でラスト30分までは色んな感情で見ることができた。
人類史上の宝のひとつ
もう何十回と見たであろうこの作品をネトフリで再見。今回は少し違った観点から見てみることにした。テーマは色彩とデザイン、そして音楽。クリストファー・ノーランのリマスター版は特にその辺を鑑賞するのにとてもよく仕上げている。ハミルトンの腕時計、ジョージ・ジェンセンのカトラリー。ムーンベースのロビーにはオリヴィエ・ムルグがデザインしたDjinn。勿論カードはアメックス。。。色彩も当時のモニターがグリーンであるための補色として多くの赤が使用されており最高の色彩バランス。ジェイムズ・P・ホーガンのデビュー作の『星を継ぐもの』のイントロダクションがまさに5万年を経た赤い宇宙服の男が発見されるところから始まるのはSFファンの間では有名な話。赤い宇宙服が本当に美しい。美しいと言えばオープニングの人類黎明期の風景の美しさ。そして宇宙船の美しさ。そして最後にたどりつたロココ調の彼岸には3枚の絵画が(確認される範囲で‥)これは原作によるとゴッホ跳ね橋とワイエスの「クリスティーナの世界」が・・。これだとあまりにも説明しすぎという事で変えたのであろうが、本来の元絵が誰の絵画なのかが未だ特定できない。どなたか情報をお持ちの方いらしたらお教えください。とにかく最大の驚きはこの完成度を持った作品が1968年に作られている事。返す返すもこの驚異には敬服する。
原作を読めば難しい事は無い また、人類進化の古い考え
色々言われる作品だが、原作を読めば全く難しい話では無い。ただ、50年以上前にCG無しでここまでやるのが凄い。しかし、三日月が登場するが、モノリスは倒れていたのかなぁ。天文学的にありえる事あるのかなぁ。素人ながらに思った事。
『美しき青きドナウ』は、宇宙と言う死の空間を生ある流れに変えています。心にしみるイイね。
40年くらい前にテアトル東京の一番前で見たなぁ。当時は字幕が右に出たので大変だったけど、字幕なんて関係ない映画だった。
宇宙船!今はなきパンナムだよ。
猿みたいな顔した日本人が死の空間に飛び出したようだか、無事戻る事を望む。上空でぜひ 北方領土返せ って言ってくれたら そこへ行った甲斐はあるが、全く羨ましいとは思えない。
追伸
ゴリラ生態学者の山極先生が、『2001年宇宙の旅』の中で、類人猿が狩猟を始めた姿を進化として捉え、それが争いの始まりとしている事を、学術的研究かつ科学的に否定している。僕はそれに共感する。
以下 ネタバレ
因みに、この映画は全部オールスタジオって知ってます。よく見ると分かる。
2024年8/23ドナウ川で泳いだ。
サンドイッチ、美味しそう
すごくヤバい
遂にこの作品を映画館で!しかもIMAX上映!!
大学生の時にVHSをレンタルして以来、20年ぶりぐらいに再見。印象的なカットは断片的に覚えているけど、正直中身は忘れました。ほら、ファッション的に映画観るの流行ったんです。バグダッド・カフェとかバッファロー'66とかビッグ・リボウスキとか。
んで感想。 すごくヤバい。 お前の語彙力どこ行った?という表現だけど、こう言う他に賛辞の言葉が見当たらない。学生当時の関わり方は、正直「キューブリック観てる俺カッケー」的なもの。貧乏学生の部屋にある小さなテレビ画面。音は小さなスピーカー。酔っ払いながら「なんだこのラスト」と思いつつ、ステータスとして「観た」ことにしていたのです。
はじめて映画館で観て、IMAXという素晴らしい環境でこの名作を観て、トラウマレベルで心に刻まれました。あの映像美と音楽は異常。これは、映画であり、現代音楽のMVであり、絵画でポエムだ。コンピュータが呟く「I’m afraid. 」はヤバすぎる。50年前ですって?このおじさんですら生まれてないんですよ?? あり得ない。あり得ないのです。
CG全盛の映画業界。確かにキレイだしスケール感も半端ないし、なんでも出来ちゃうんだけど嘘くさい。だからこそ驚きも何もない。火が熱く感じないのだ。でも本作のSFXには感情がある。日本ではイタイイタイ病とかの教科書に載ってた時代にあのラストのあの映像。キューブリックが実は未来人だったと告白しても、何も驚きはしない。
中学生もワンクリックで無修正のエロ動画見放題な時代。昔は黒く塗りつぶされたエロ本にバターやシンナーを擦り付けて奥の奥を覗こうと努力するしてた訳です。どちらにクリエイティブは宿るのかって話ですよ。
今観ても、とんでもなく
革命的な作品ですね。
午前十時の映画祭のお陰で、ようやく劇場で鑑賞できました。
真っ黒なスクリーンに不吉さを漂わせた音楽が鳴り響いた後に、ツァラトゥストラの音楽に合わせて地球ドーン、タイトルがバーンで一発ノックアウトされたのちラストまで私の理解を超えた、更にその先にまで引っ張られてしまいます。
これは映画なのか?というほどに難解ながら、やっぱり映画でしか表現し得ないものでしょうね。
骨が空に舞うところから一瞬で作品内現代までジャンプする美しい時間の飛躍
プールがHALに突き飛ばされる場面、無音の恐ろしさ
光の点滅?で表された驚愕の異次元光景
全体、理解が追いつかないけど、いやはや恐ろしいモノを目撃してしまったような気分になります。
これが映画だ!という感じです。
でも、こんな映画ばかりになったら困りますね。
お腹いっぱいです。あと何年したら、もう一度観る気になるのでしょう。
キューブリックの業
やはり名作だ。
旧友と再会したように観賞した
午前十時の映画祭11にて
初観賞は高校生の時のテレビ初放映。この時の衝撃が未だに忘れられず、自分にとってのベストワン映画の位置を不動のものにしている。
だが、Wikiで見てみると、日曜洋画劇場での初放送は1981年とのこと…だとしたら浪人中だ。高校の校舎内で友人と語り合ったと思い込んでいたが、違ったか。記憶というのはいい加減なものだ。
上京した後、やっと映画館で観た。その後は数年おきに観ているような気がする。
WOWOWの初放送では部屋を暗くして観た。
過去の午前十時の映画際でも観たし、シネマコンサートでも観た。
DVDソフトもBlu-rayソフトも持っているが、これはコレクションとしての喜びであって、あまり自宅のテレビ画面で真剣に観ることはない。
感受性と集中力が年々衰えていく中で難解な映画を観るのは時に辛いが、本作は「慣れ親しんだ」旧友のようで、画面を見ながら「あ、この時ってこうだったっけ?」なんて、思い出話でもするように心の中で一人で会話したりする。
モノリスと人類進化の関係とか、スターベイビーはボーマン船長が神化した姿かとか、この映画のテーマを深掘りすることは今や重要ではない。
様々な研究者が講釈を述べているし、アー サー・C・クラークの長大な続編群でシラケるほど理由付けされている。
あらためて思うことは、この映画の特殊撮影によるリアリティは、恐ろしく緻密な人の作業に支えられていたのだということ。
ミニチュアに映像をはめ込んただけの単純な合成でも、画面設計と寸分狂わない映像を作りあげさえすれば、その映像の完成度に技術が新しいか古いかは関係ない。
ルネサンス時代の描方を現代の画家は使わないが、ルネサンス絵画が今も陳腐化していないのと同じだ。
SF的な映像は、科学的考察に基づくリアリティを追求して設計された。その設計を忠実に具現化しているから、映像はいつ観てもリアルなのだ。
このヴィジョンどおりの映像を作り出すためのキューブリックの要求が如何に妥協を許さないものだったかは、携わった多くの職人たちが二度とキューブリックとは仕事をしたくないと語っていることからも想像できる。
この一大宇宙叙事詩を完成させたクリエイターたちの才能と努力に敬意を表したい。
もし、手塚治虫がキューブリックからのオファーを断らず美術に参加していたら、、、、多分途中で決裂してただろう…
午前十時の映画祭にて。 昔、昔、学生時代に見た時はあまりよく分から...
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