「I'm a...fraid... きっと映画マニアの中で語り継がれる作品」2001年宇宙の旅 アキ爺さんの映画レビュー(感想・評価)
I'm a...fraid... きっと映画マニアの中で語り継がれる作品
キューブリックさんはなんだか高尚過ぎてエンタメ好きな自分には合わないなぁっと思いながらも、一度映画館で観てみたいと思い「午前10時の映画祭」で鑑賞してきました。やっぱ1968年で本作を作ってるのはスゴいですね。当時劇場で観た人はぶっ飛んだだろうなぁ。面白いとか他人に勧める映画では全くないですが、スゴい映画だと思います。ざっくり言えば映画マニア向けです。多分マニアであればある程評価が高く、一般層にはウケが悪い。公開当時からずっとそんなポジションの作品なのではないでしょうか?
観てるとこんな映像を1968年当時にどうやって撮ったんだ?っと思えるシーンが盛り沢山です。そりゃ後続のSF映画に大きな影響を与えるわな。個人的にはデイブが作業ポットから宇宙船に戻るシーンはどうやって撮影したのかとても不思議でした。CGもない時代にホントに無重力にいるように見える。純粋にスゴい映像だと思います。
でも、全体的にスローなんですよねぇ。サクサク物語が進む映画に馴れてるとこのテンポはなかなかしんどいです。セリフも少ないですし、デイブとHALの静かな戦いも緊張感ありますが淡々としすぎてて。そういやデイブって激昂しないんですよね。アメリカ人らしからぬFワードを使わない人物でした。
キューブリック監督が「説明するなんて野暮だ。全て映像で伝えたろう。」っと思ったのか、もはや「考えるな、感じろ」の領域でしたね。ただ、誰も観た事のない映像を見せてやろうという意気込みは伝わってきました。終盤のスターチャイルドになるまでのシーンとか、あんなん予備知識なしていきなり映画館で見せられたら「何を観たんだ⁉️」っとなった事でしょう。こりゃ、やっぱり公開当時に観たからこそ印象に残る作品ですね。
でも、1点だけ公開当時より今観た方が良い点をあげるとすればHALの反乱でしょうか?例えばアレクサ等のスマートスピーカーに電気やテレビ付けてもらったりと生活をサポートしてもらう事が日常になっている現代だからこそ、HALの反乱は当時の人より身近でリアルに感じられます。最後はHAL自身に感情が芽生えちゃってるし。AIは便利ですが感情はいらないですよね。あれってモノリスでAIも進化したという事?猿が道具を使って殺す事を覚えたように、AIも他の生命を殺す事を覚えたっというお話?いやー、いつかシンギュラリティは起こると思ってる派なのですが、実際に起こったら嫌だなぁ。
何はともあれシンギュラリティなんて言葉が一般化してなかった時代にこんな作品を作れるキューブリック監督が天才だった事は間違いありませんね。
CBさん、コメントありがとうございました。
公開当時は人気なかったんですね?正直そうだったんだろうなっと思います。でも、マニアにウケて語り継がれる作品になったってのがキューブリック監督のスゴい所ですよね‼️