「ちゃんと怖い初めのゾンビ」ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド どすこいたろうさんの映画レビュー(感想・評価)
ちゃんと怖い初めのゾンビ
言わずとしれたゾンビ映画の始祖であります。「走るゾンビ」「巨大なゾンビ」「踊るゾンビ」…まぁいろんなゾンビを観てきて、ゾンビ映画史に興味を持ち本作にたどり着いたわけです。
その意外性に富んだ内容に驚かされました。てっきりゾンビ中心の映画かと思いきや、極限状態に追い込まれた人間達の醜い争いが描かれていました。結構長い尺使って。そしてこれが面白い!誰かを応援しようとかいう気になれないくらい、お互いに足を引っ張り合ってウダウダあーだこーだ言い争います。どうしようもなく役に立たない虚無姉さんが一番マトモなんじゃないかと思う始末。人間って面白いですね。
もう一つ驚いたのが地下室!今ではおなじみのゾンビ映画あるあるの一つだと思うのですが、地下室の存在はやはり魅力的。そこで行われるゾンビとの凄惨な殺し合い…最高じゃないですか。後のゾンビ映画に影響を与えたのも頷けます。
中盤までは人間同士の争いがメイン、後半はいよいよゾンビとの戦いとなるわけですが、その最中でも諍いが絶えません。「いい加減仲良くなさい!」と思って観ていると、状況は最悪な方向へ…。後味の悪いエンディングは意外でした。
グロ描写も少し有り。当時としてはかなりショッキングな映像だったのでは?BGMも気持ち悪さに拍車をかけてくれます。
ゾンビのジャンル的には「ウロウロゾンビ」といったところでしょうか?こう書くと全然怖くなさそう(笑)ですが、終盤はきっちり怖がらせてくれます。この作品で既にゾンビ映画たるやいかなるものかを確立させていたのは凄いです。
コメントする