劇場公開日 1952年4月24日

「一流の武人は知力も一流」虎の尾を踏む男達 momokichiさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0一流の武人は知力も一流

2024年6月8日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

単純

知的

・何言ってるのか聞き取れないところがしばしば。勧進帳の読み上げや、その後の富樫との問答など漢語調・和語調なので聞き慣れないという点と、フィルムが古くて劣化しているというのもあったように思う。

・顔芸が凄い。弁慶役の大河内伝次郎、そして強力役の榎本健一(エノケン)。エノケンなんて「クシャおじさんかよ」という場面もあった。

・関所をクリアした後にもまだ話の続きがあったとは。「勧進帳」にあんな宴の場面が続きにあるとは知りませんでした。映画だけの設定?

・番卒たちの人垣の中を進む弁慶と一行。人垣の隙間から抜くショットが面白い。

・最後の強力の飛六方。斜めに手前に向かって来るショット。斬新だなあ。さすが黒澤監督。ユニークだ!

・空白の勧進帳を空で朗々と読み上げる弁慶。鋭い問いを矢継ぎ早に繰り出す富樫。それに淀みなく即答する弁慶。弁慶に対する「力だけの単純野郎」のイメージが覆える。富樫といい、一流の武人はやはり教養と知力も一流なのだな。

momokichi