突撃

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解説

原作「栄光の小径」は、第1次世界大戦中処刑されたフランス人兵士の実際の裁判をもとに書かれた。”蟻塚”と呼ばれるドイツ軍の要所を2日間で陥落させることを命じられたダックス大佐。部下を思うダックスは無謀な任務に反対するが、作戦は実行に移される。結果失敗に終わり、責任をなすりつけられた3人の兵士が軍法会議にかけられる。戦争の持つ不条理さと戦争下においての非人間的な感情を描いた反戦映画。

1957年製作/86分/アメリカ
原題:Paths of Glory

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映画レビュー

4.5ヒューマニテイを主題にしたキューブリック監督には珍しい作品

あき240さん
2018年12月11日
Androidアプリから投稿

キューブリック監督は人間を描くのはあまり興味が無い
それよりも物語の展開自体と映像表現を中心に据える作品が多い
だが本作は違うようだ
様々な人間が描かれ、その各々の立場での感情と苦悩が描かれる

それを特に象徴するのはラストシーンだ
捕虜になった美しいドイツ娘の歌に、荒くれて騒がしかった兵隊達が次第に静まり、その歌声と歌詞に釣り込まれて、声を合わせて泣き顔で歌いだす
人間性を捨て去って命令と軍律の中で心を失っていた兵隊達が、普通の人間に戻った瞬間をたっぷりと見せる
そして部隊に前線に戻れとの命令が来た事を伝える部下に、兵隊達に号令をかけるのはもう少し待ってやれと命じるシーンは、他のキューブリック作品には無いヒューマンさが溢れる暖かい眼差しだ

もちろんキューブリックらしい、陰影の強い映像と美しい構図の取り方ははっきりと確立されているのがわかる

夜の斥候シーンは陰影の付け方が見事だ
総攻撃での突撃シーンは報道写真がそのまま動いているかのようで、陰影の強調をつけた上に、望遠レンズの効果で恐ろしい程に迫力とリアリティーのある映像で、現代の戦争映画にも勝る

そして後半の軍法会議のシーン、牧師に懺悔するシーン、銃殺シーンは特筆もの
どれも、窓から射し込む自然光の効果、絵画のように見事な構図と視点、高角レンズの多用がもたらす画面の広がりと奥行き
どれも素晴らしく感嘆するばかりだ

カーク・ダグラスは戦場の現場部隊の指揮官としての任務への責任と部下の生命を預かる責任との狭間に陥った苦悩を見事に演じており、キューブリックの映像に負けることなく、監督の強烈な映像の中で映えて本作のテーマを見事に主張している

彼は本作でキューブリック監督の非凡な才能と確かな腕を知り、スパルタカスの監督にキューブリックを指名することになる
本作はそれも当然だと納得できる傑作だ

付記
冒頭の将軍が塹壕陣地を視察するシーン
見覚えがあると思ったら、グラディエーターでの冒頭で同じく将軍がローマ軍陣地を歩くシーンと瓜二つだ
もちろんリドリー・スコット監督が本作をオマージュしたものだろう
これは新発見だった

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あき240

3.5醒めた視線が光る

散歩男さん
2017年12月3日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

怖い

1957年製作。キューブリック29歳での監督作。

いわゆる監督独自の構図や視点はまだ薄めだが反戦映画として独自なスタイル。軍法会議がメインとは思わなかった。

描いているのは人間の本質とは何か?である。正義とは愛国心とは。そして戦争とは軍隊とは。なぜ無能で無責任な上官の下で命を張らなければいけない理不尽さに耐えねばならないのか。

ラスト、荒くれ者たちが心を動かされ涙を流す。それもまた人間である、というメッセージにじんわりときた。(そこに監督の後期の映画には無いヒューマニズムも描かれているような気がした)

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散歩男
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