「まず念頭に置いておきたいのはこの作品がいわゆるディストピアを舞台に...」時計じかけのオレンジ 時村さんの映画レビュー(感想・評価)
まず念頭に置いておきたいのはこの作品がいわゆるディストピアを舞台に...
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まず念頭に置いておきたいのはこの作品がいわゆるディストピアを舞台にしているということだ。それがわかると主人公たちがロシア語っぽい造語を操ったり襲った作家が反政府活動をしていたり政府主導で人格矯正手術が行われていること等が風刺的な意味を帯びてくる。また、暴力描写がなんとなくオサレに演出されているのでサイコっぽく、そこがカルトな人気を獲得している所以なのだろうがアレックスの「(僕を追い出して)良心の呵責を十分堪能してくれ」の台詞が気になった。彼は罪の意識を認識している。サイコではない。ベートーベンを聞いたりドラッグミルクを嗜んだりしながらも最後は暴力とセックスに訴える。要するにガキなのだ。ただその衝動をコントロールできない姿はただ未熟なだけではなくどこか病的ではある。
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