「追われながら真実を追究する困難さ」逃亡者 Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
追われながら真実を追究する困難さ
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総合:75点
ストーリー: 70
キャスト: 80
演出: 75
ビジュアル: 70
音楽: 65
妻が殺された殺人事件の裁判なのに、上訴する場面もなく比較的短期間に死刑判決が出ているように思えるし、最初の設定はいくつか無理があるように見える。こうでもしないと次の展開の逃亡劇に進めないから仕方がないのだろう。
だが犯人に繋がる手がかりを求めつつ警察の追跡をかわすその後の逃亡していく展開は、常に緊張感があって楽しめる。事件の背景にある陰謀も明らかになってきて、ただの単純な殺人事件ではない複雑なサスペンスとしての謎解きがまた物語を盛り上げる。
トミー・リー・ジョーンズが食らいついたら離れないしつこい連邦保安官役を演じて、この追跡を迫力のあるものにした。主人公のハリソン・フォード、全体的には良かったのだが、妻を失った喪失感があまり表現されていないように感じた。裁判と逃亡に疲れてそれどころではなかったのかもしれないが、妻を失って悲しみにくれるとか犯人を捕まえてやっと妻への鎮魂になったとか、そんな場面もしっかりと作ってくれればと思う。逃亡と謎解きに多くがさかれすぎていて、そのあたりが弱いという印象が残った。
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