東京の女のレビュー・感想・評価
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【姉は弟を想い、ダブルワーク(タイピスト&をいかがわしい酒場で働いている。)をするが、それが起こした悲劇を描く。何となく、岡田嘉子さんの波乱万乗の人生を思い出してしまう作品。】
■大学生の良一は姉・ちか子(岡田嘉子)と一緒に暮らしている。彼はちか子に、昼はタイピスト、夜は大学で翻訳の手伝いをして学費や自分の面倒を見ていると聞かされていた。
ある日、良一は、ちか子が実はいかがわしい酒場で働いているという事実を知ってしまう。
◆感想
・姉の身を案ずる弟の苦悩を描いた昭和初期のサイレントドラマであるが、結果が哀し過ぎる。
・昭和初期の行き詰まった時代に生きる人々が織り成す物語が悲劇性をさらに強めている。
<小津安二郎監督は、こんなシビアな物語も取っていたのかと驚いた作品。>
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フィルム・ノワールの創世記
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エリック・サティのジムノペティがおもむろに流れるが、オリジナルなのだろうか?
1925年に大日本帝国は治安維持法を制定する。この映画の公開が1933年
さて、岡田嘉子さんは1938年にソビエト社会主義連邦共和国へ亡命(?)する。
この映画の存在は知っていたが、初見である。
言うまでもないが、そう言った概念があるとすれば、フィルム・ノワールの創世記に当たるのだろう。劇中の『百万円貰ったら』は知らなかった。
そうか!エルンスト・ルビッチってあの『ニノチカ』か!凄い。
いずれにしても、小津安二郎監督が世界的に評価される所以だと思う。更に言えば、戦争をまたいで、名作を次々に生んだ演出家だと思う。
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