「直球勝負で観たかった」トゥルー・クライム odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
直球勝負で観たかった
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男から見ても節操が無さすぎる、主人公をまったくのダメ男に描く必要があったのか?折角のクリント・イーストウッドなのだから夢を壊さないでほしいとぶーたれながら鑑賞。
原作者のアンドリュー・クラバンは主人公が普通の正義感に燃える事件記者では嘘っぽいと思って汚したのだろうか、それとも6年審理された事件を一日でひっくり返すという嘘っぽさを薄めたかったのだろうか、あるいは主人公の家族、死刑囚の家族を対比させて描くことで誠実さの重みを問いたかったのだろうか・・。
個人的には死んだ同僚の弔い合戦で全社挙げて冤罪究明に取り組む美談仕立ての方が好みだが、それだと例のNYタイムズやワシントンポストのスクープ映画になってしまうので嫌ったのだろう、カリフォルニアの地方紙らしいと言っては語弊があるが変化球で挑みたっかたのだろう。
感心したのは脇役、チョイ役が光っていること、頭ごなしに押さえつけずユーモアもあるボス、気骨のある刑務所長、気遣ってくれるバーのマスター、悪い方では陰険な上司、いかにもの会計士、良心の無い牧師など、物乞いは頂けないが綺麗な嘘より下品な本音を語らせることで主人公の引き立て役だったのかもしれない。
クライマックスのカーチェイス、冒頭の死のカーブを旨くなぞってハラハラドキドキ、事件ものとしては雑味が多すぎると感じるがヒューマン・ドラマ路線も狙ったのでしょう。
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