ディーバのレビュー・感想・評価
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本作品の監督の感性にいたく感心する
ベティ・ブルーもそうだったが、ジャン=ジャック・ベネックス監督のセンスが私的によくマッチしているということなのだと思う。
もう40年前の作品となるこのディーバ。知ったのは25年ほど前となるが、それ以来数年に一度は鑑賞しなおしている。
何といっても黒人ソプラノの歌唱が強く印象に刻まれ、それを軸とした「盗み録音の白人青年」との格差ラブロマンスがゆるやかに進展、そこに全く違うベクトルである犯罪サスペンスがうまい具合に交差される。
そして「謎のできる奴」ゴロディッシュと連れのベトナム娘がファンタジックな香りを醸す・・・
パリを舞台とした、陳腐な表現とはなるが「極めてスタイリッシュ」としか言いようがない見事な映像作品だと心から思う。
僅かなネガ点として「…こんなに人死ぬんだ・・・」と毎回引き気味になること。苦笑
とはいってもスプラッターではない「スタイリッシュな殺害模様」として描かれてはいるけれどもね。
ブラボー ブラボー ブラボー …
ジャン=ジャック・ベネックス監督追悼上映として、
シネマスクリーンで再鑑賞出来たことは幸運だった。
非常に混乱するストーリーだが、
そんなことは昇華してラストの自分自身が盗聴歌唱テープを初めて聴取するこのシーンの何と美しいことか。
私も彼女の歌唱にファンになってしまいました。
ブラボー ブラボー ブラボー 👏👏👏👏
是非、音響の良いシネマでご鑑賞下さい。
ポスター、ずっと覚えていて、いつか
観たいと思っていました
中3か高1。
どんな映画かなーって思ってた
こんな映画かー。評価高いけど。そうかな?
主人公はストーカーだし。受け入れるのも、どちらも誰も共感できなかった。
サスペンス?
うーん。
ジュールの秘密基地に憧れちゃう
わたしはとにかくジュールのガレージの秘密基地が羨ましくて仕方ありませんでした。
床に描かれたヌードのブロンド女性はラクエル・ウェルチでしたっけ?
オープンリールのデッキをカバンに入れて盗録したんですよね。
重いよ~かさばるよ~
マイクもデカかったろうに。
昔はコンサート会場の入口でよくバックの中をチェックされました。
サイン貰って、握手して、衣装のショールを盗む。それを黒人の娼婦に着せてね。大胆な変態小僧。
仕事帰りの20:45からの観賞だったので文字通り夢ごこちでした。しばしば落ちたみたいで、細かなストーリーはよくわかりませんでした。カリブ海の悪党の黒幕は実は警察署長だったみたいでした。だから、ベテラン刑事の言うことをそんな馬鹿なことがあるか~いと、カモフラージュしていたんですね。
40年前の映画なんですね~
【”カセットテープの行方、及び取り間違い・・”自らの歌声をレコーディングさせないオペラの歌姫と、その歌声を密かに録音したオペラを愛する郵便配達員が行った行為の顛末を描く。】
ー オペラが大好きな18歳の郵便配達員・ジュールは、憧れの黒人ソプラノ歌手・シンシアの歌声を劇場で鑑賞中にひそかに録音し、さらに楽屋から彼女の衣装を盗んでしまう。
翌朝、盗難を報じる新聞を見たジュールは、衣装を返そうとシンシアが泊まっているホテルを訪れるが…。ー
◆感想
・現代であれば、映画上映前に放映される”ストップ!無断録画はイケマセン!”とカメラを被った男性達が軽やかに出て来るかなあ・・、などとおバカなことを考えながら、郵便配達員・ジュールが密かに自らのディーバの歌声を密かに録音しているシーンから物語は始める。
・が、いきなり麻薬組織に関係する女性メディアが”あるやり取りをした”録音テープをジュールの配達袋に投げ入れ、殺される所から物語は、ドンドンとサスペンス風味を増していく。
- 彼女は、麻薬取引組織に所属している娼婦だと後から分かるのだが、ストーリー展開が粗い。ついでに、彼女を追う二人の男の銀のサングラスも時代を感じさせるし、似合ってない・・。-
・もう少し、ジュールとシンシアの関係性の進展を深掘りして描くとか、後半マフィアのドンとして登場する男と、メディアを始めとした闇の組織の関係性が上手く描かれていればなあ・・。
<今作は、世間的には
”青を基調とした映像美や個性的な登場人物、ジャンルを超越したストーリーなどから、凡百の巻き込まれ型サスペンスとは一線を画す”
とジャン=ジャック・ベネックス監督初長編作を絶賛するように謳われているようであるが、2022年に観ると、”それ程のモノかなあ・・、と思った作品。(ファンの方、スイマセン・・。)
面白いけどね。
けれど、昨今の練り込まれたサスペンスムービーを観ている者の、正直な感想です・・。>
心底震える大傑作!
久しぶりに、心底震えるような大傑作を観た!
このところ「それなりに面白い映画」は観ていたが、「面白いけど、なかなか大傑作には出会わないなぁ…。いろいろ観過ぎて、自分の感性が鈍ってしまったのだろうか…」などと映画に対する気持ちを疑ったりしていた。
しかし、「やっぱり映画鑑賞は、こういう映画があるから止められない!」と思う。
ジャン=ジャック・ベネックス監督の遺した見事な映画で、一瞬たりとも眼が離せないサスペンス・タッチの作品で、オペラあり、殺しあり、アクションあり、色彩感覚豊かな作品。
冒頭はオペラを歌う黒人女性歌手のステージ場面から始まり、彼女の熱狂的ファンが録音したその公演テープがあり、そのファンの男=郵便配達の男が遭遇する「裸足の女の刺殺事件」の現場で知らぬ間に受け取った殺された女の告白カセット・テープ。
この2本のテープを巡りながら、次々と起こる殺人、郵便配達男の逃亡劇、そしてオペラ歌手と郵便配達男の触れ合い……などなど見事な展開。
ジャン=ジャック・ベネックス監督、素晴らしきデビュー作。
寡作であったが、本当に惜しい監督を亡くしたと思う。
ジャーロのような、
印象的な絵作り、魅力的なキャラクター、本筋と関係ないエピソードもたのしく、かつてハマったダリオ・アルジェントのジャーロ作品のような趣きがあります。
悟り、綾虎の猫、などなぜか日本贔屓なのもいい。
「波を止める男」とベトナム人少女のコンビがいいスパイスになっています。
久しぶりにカセットテープで音楽が聴きたくなる映画。
「ディーバ」という言葉にまだ神秘性があった時代
①最近は人気女性歌手は何でもかんでも「ディーバ」と呼ばれるが、当時「ディーバ」という言葉にはもっと畏れ多いイメージがあったように思う(マリア・カラスとか)。②動と静とが極端に対比されていた映画という記憶があるが、静の方を代表するウィルヘルメニア・フェルナンデスの歌唱が圧倒的だった。
今まで体験したことがない映像の世界観に魅了される
不思議な魅力に溢れたフランス映画。全ての対象を即物的に捉えた演出と、ゆったりと流れるような映像のイメージが独特な味わいを出している。主人公のオペラ歌手に注ぐ純愛だけが真面目に扱われていて、それ以外の人物や出来事が現実的な存在感を持たない希薄さというか、幻影のような世界観に存在している。人間を深く描くのではなく、街と人間が織り成す温もりと乾きを大事にしたような映像美の新しさに、驚きながら感心した。今まで感じたことのない映像体験だった。
1983年 12月10日 スバル座
不思議な話
80年代のフランス映画なんて初めて見ました。
近所にディーバというビストロがあるんですが、この映画の名前から店名を取ってるみたいで興味を持ちました✨
ストーリーはすごく不思議で、黒人歌手との恋愛とか、殺人とかミステリー要素もいろいろ絡んでます。
カフェでエスプレッソ飲むシーンはさすがフランス映画🇫🇷
大好きです✨
ほかにもバケットとか料理を注目しちゃう👏🤤
ミステリーとしても続きがきになる展開で飽きずに見れました。
最後はちょっと謎やったけど💦😂(笑)
登場人物も個性的で面白い。
ベトナム人たちはほんと謎やった(笑)
今まで見たことない感じで新鮮でした。
2000以降を予見するかのよう
80年代。フランス映画。中高生だった自分にとっては全てが大人の世界だった。恋人との感情世界のみにフォーカスするような一人称と二人称のみの映画ばかり(そんな作品の全てが嫌いというわけではない。)で、フランス映画に辟易し始めていたころにこの作品を観たのが20年前。鮮烈な印象が残っていた。特に、リシャール・ボーランジェの独特の存在感が大きく、以降、彼が登場するたびに心の中で「待ってました!」の掛け声が出るほど好きになった。
今回改めて観ると、そこには現代のグローバリゼーションと文化記号や情報のコピーの氾濫という問題をすでに先取りしていたかのような、物語の設定に驚かされる。情報通信技術の格段の進歩はあるものの、現在の世界を席巻している問題と同じものがここに描かれている。ちょうど年代的にCDが普及し始めたころでもあり、クラシック音楽は演奏を生で聴くものから、リビングや店頭で手軽に消費される音楽へと変わりつつあった。このことは功罪両面あるが、レコーディングを頑なに拒み続け、リサイタルにこだわるオペラ歌手をこの映画は描いている。このディーヴァの熱烈なファンである主人公は彼女の歌声を盗み録りして、バイクに乗りながら聞くことが楽しみなのだ。
この二人の関係はまさに、芸術とそれを愛し消費していく大衆との関係に重ねられる。自分のことを愛してやまない少年は、自分の芸術だけでなく、その褐色の肌ですらそのコピーを求めて黒人の娼婦を買うのだ。
芸術というものがどれだけ大衆に愛されようとも、芸術家の孤独は深まるばかりだということではないだろうか。
いずれにしても、フランス映画は難解だとか言って敬遠している向きにはぜひおすすめしたい一本である。
「自分の歌は、聴いた事がないのよ」「聴いて・・」
映画「ディーバ」(ジャン=ジャック・ベネックス監督)から。
「歌の女神(ディーバ)の衣装を盗んだのは誰?」という字幕で、
映画タイトルが「歌の女神」を意味することを知った。
「私は歌いたくて歌いますが、必ず聴いてくれる人が必要なのです。
コンサートがそのための場、歌手にも聴衆にも、唯一の瞬間です」と
言い続けて、決してレコード録音をしなかった黒人歌手の歌を
郵便配達人が、そっと「(テープ)リール」に録音してしまったから、
「レコード」にして儲けようという人たちが、そのテープを欲しがる。
片や、ある犯罪の告発内容を「カセット(テープ)」に録音して
そのまま殺されてしまったため、そのテープを取り戻そうと、
その持ち主となった郵便配達人を、必死に追い掛け回す。
作品の中では「テープ」という単語しか出てこないから、
求める「テープ違い」で、なかなか面白かった。(笑)
さて、本題に戻る。
歌手はその場で聴いてくれる人のために、心をこめて歌うのだから、
レコードでは、その感動が伝わらない、と考えていたのだろう。
しかしラストシーンで、盗み録りされた自分の声をテープを耳にする。
コンサートこそ全てと考え、レコード化を拒んでいた彼女は、
自分の歌声が、多くの人を感動させる魅力を知らないままでいた。
そこで「自分の歌は、聴いた事がないのよ」と、歌の女神・シンシア。
「聴いて・・」と、シンシアに憧れる郵便配達人の青年ジュール。
う~ん、久しぶりに、余韻を残す素敵なラストシーンだったなぁ。
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