「パーフェクトな映画」天国の日々 himabu117さんの映画レビュー(感想・評価)
パーフェクトな映画
贅沢という言葉しか浮かばない、こだわりの映像美に仕上げた作品『天国の日々』。でもどうしても『風と共に去りぬ』を思い出し比べてしまう。あまり意味のないこととは思いつつも、両作品に共通するのは、製作にたいするこだわりだろうか。
リアルな穀倉地帯
20世紀初頭のアメリカ シカゴ
舞台は、穀倉地帯。
とにかく贅沢な映像美に圧倒される。
なんて美しいんだ。
穏やかな、農場の平原が、まるで夢の中にいるような。
1978年作だから、今のようなCGを駆使することもなく。
とにかく、自然の中で、ゆったりと時が過ぎてゆく。
その中で、人間のドラマなんてもうどうでもいい。
そんな気持ちにさせてしまう。
ここまで、こだわった作品には、なかなかお目にかかれない。
とんでもない、製作費がかかっているんだろうな。
指の間からこぼれ落ちる幸福
贅沢な舞台だけで十分なんだけど。
そこにあえて、人物とドラマを入れてゆく。
映像に負けないドラマでないと。
その期待に、答えてくれる。
人生の不条理。
あともう少しで手に入る幸せが、こぼれてゆく。
ドラマチックな映像にあった内容でないと。
映像に負けてしまう。
そこをあえて、『天国の日々』と名付けるあたりが、心憎い。
そう、あまりにもハマりすぎているのだ。
これだけの作品に、これ以上言葉はいらない。
まるで、この世ではないような空間で、ドラマが展開してゆく不思議な感覚。
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