「70年代のアメリカ映画ってほんといいな」天国の日々 ONIさんの映画レビュー(感想・評価)
70年代のアメリカ映画ってほんといいな
映画館で観るまでは観ないと誓った作品をようやく観る。これは映画館でないと。というか映画館ありがとうとしか思えない至福の時間。アルメンドロスとハスケルウェクスラーの絵とモリコーネの音楽を体感。なんだこりゃというこの時期のアメリカ映画にしかできない映画。アルメンドロスと黒澤明とかも時代的には仕事できたのかもしれないね、と夢想しながら観ていた。リチャードギアと黒澤明はその後お仕事してるけど。
機関車が平原を走ってるだけでもいい。そしてそれが途中の何もないところで止まって荷物と共にゾロゾロ人が降りていくだけでいい。ゾロゾロ降りて、ゾロゾロ乗って去っていく。去っていかなかった3人と田舎の名士。麦、イナゴ、雪、風、火事、ピストル、とにかく一大叙事詩を残すぞ、という気狂いじみたカットが続く。
流れ着いて、いざこざあって、逃げて、仕留められて、残った2人はそれぞれの道へ。素晴らしい。
ふとケリーライカートの『ファーストカウ』を思い出す。こういう野心的な映画がどさくさに紛れて作れるかどうかが大事。テレンスマリックはこの後20年沈黙。そうさなあ。
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