劇場公開日 1974年4月13日

「「水と油」ではなく「水とアルコール」程度だったら良かったが…」追憶(1973) KENZO一級建築士事務所さんの映画レビュー(感想・評価)

2.0「水と油」ではなく「水とアルコール」程度だったら良かったが…

2021年7月5日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

NHKBS放送を録画して再鑑賞。

この作品が、
しっくりと記憶に残らないのは、
設定に無理があるからとしか思えない。

彼はスポーツも万能な秀才で
臨機応変に対応出来るタイプだし、
彼女の方は融通の利かない堅物で、
モテ男の彼が、周りにいる女性達とは異なる
彼女の人物像に興味を引かれたのは解るが、
二人が「水と油」であることを認識している
その彼が、映画の中盤で
「僕らは上手くいかない」
と言い出しておりながら別れず、
あたかも広い心で彼女を包み込むかの如くの
上から目線的な中途半端な愛情は
お互いの不幸を招くだけの「罪」
と言わざるを得ない。

「愛とはお互いの人格を高め合う行為である」との、ある心理学者の言葉がある。
従って理念の異なる男女が、
お互いの欠点を埋め合いながら成長すること
にも愛の価値はある。
しかし、それが成り立つためには、
ある程度の人生観の共通性と相互理解が
必要だが、この映画の二人には
余りにも距離が有り過ぎた。
だから、この二人は何故共に人生を
歩まなければならないのか、との
基本的な違和感が最後まで抜けきらなく、
二人に共感は出来なかった。

「水と油」では無理があり過ぎる。
せめて「水のアルコール」程度でないと。

この作品の公開は、
専門家に評価の高い名作以外でも
「スティング」「ペーパー・ムーン」
「ジーザス・クライスト・スーパースター」
「エクソシスト」「燃えよドラゴン」
等の話題作揃いの年ではあったが、
キネマ旬報で1位に上げたのがたった一人で、
結果、総合第24位と
それほど高い評価は受けなかった。

多分に本来結ばれるはずの無い二人を
強引に結びつけるストーリー展開に、
無理を感じた結果だったのではと
想像したのですが。

KENZO一級建築士事務所
kazzさんのコメント
2021年7月6日

KENZOさん、コメントありがとうござきます。
ケイティは本気でハベルに熱烈に恋していたと思います。
それでも彼のために政治活動をやめることまではできなかったのですが、ずっと彼のことを想い続けたいたのではないかと思いました。
そもそも合わない二人が一瞬でも燃え上がってしまったことがこの恋の不幸だったのでしょう。

kazz