アヒルと鴨のコインロッカーのレビュー・感想・評価
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伊坂作品を続けて鑑賞
「よくこれを映像化できたな」というのが一番の感想
原作である伊坂幸太郎の小説のファンで、何度も読み返したことがあるくらい好きな作品です。
「映画化された」という話を聞いたときは本当に驚きました。この作品は過去と現在のストーリーが交互に展開され、後半にその二つのストーリーが繋がっていくという作品で、伊坂幸太郎の持ち味である怒涛の伏線回収が存分に発揮された魅力的な作品でもあります。しかしこの作品は叙述トリックが多く登場する作品でもあり、「絶対に映像化不可能」だと思っていました。
原作ファンだからこそ、正直あまり期待せずに鑑賞いたしました。
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大学入学のために仙台のアパートに引っ越してきた椎名(濱田岳)。隣人の河崎(瑛太)という男から「同じアパートにいる引きこもり留学生のドルジに広辞苑をプレゼントしよう」という提案をされ、言われるがままに書店強盗を手伝わされるハメになる。渋々書店強盗に協力した椎名だったが、この事件の裏には2年前に起こった河崎と元恋人の琴美とドルジにまつわる物語が大きく関わっているのだった…。
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原作小説では主人公の椎名が書店強盗を手伝い河崎と親交を深めていくパートと、二年前に起こった河崎と元カノの琴美、そして留学生のドルジに関わる事件が描かれるパートに分かれており、二年前に起こった様々な出来事が現在の出来事の伏線となっているのがこの作品の魅力です。巧妙なミスリードもあり、恐らく初見で真相に気付くことができる人はいないんじゃないでしょうか。
しかし先述の通り原作小説は「文字だからこそ通用する」ような叙述トリックを多用する小説であるため、普通に映像化してしまうと絶対にラストに関わる重大なネタバレになってしまうんです。
「映像化不可能と言われていた作品を映画化」という作品はいくつもありますが、残念ながらそれらの作品は驚くほどにハズレの作品が多いです。無理やり映像化しようとして原作のストーリーを削ったり改変を行ったりして、せっかくの原作の魅力が削ぎ落とされている作品がほとんどなんですよね。
しかしこの「アヒルと鴨のコインロッカー」、期待しないで見たというハードルの低さもあるかもしれませんが、「ちゃんと映像作品として成立している」のです。これは本当に驚きです。もちろん映像化するにあたっての改変はありましたが、原作の良さを損なうことなくしっかりまとまった内容になっていたように感じました。原作ファンの私としても大満足のクオリティでした。
この映画を観て興味を持った方は、是非原作小説もご覧になってください。映画化にあたってカットされた部分もありますし、映画版と比較してみるのも面白いんじゃないでしょうか。オススメです!!
切ない
とにかくエモい
ブータン人と日本人
牛タン弁当があるのなら、ブータン弁当があってもいいじゃないか。
中盤からのどんでん返しが上手い。前半、本屋で広辞苑を強盗するという場面がリアリティに欠け、なぜ盗まなきゃいけないのかさっぱりわからない。なにしろモデルガン2丁をわざわざ買うのなら、広辞苑を数冊買えるだろうに・・・隣の隣に住むブータン人留学生ドルジと恋人琴美(関めぐみ)との関係、彼女の勤めていたペットショップ店長麗子(大塚寧々)との関係とか、不自然なことが多すぎる。謎と不自然さに包まれているので、どうなることかと心配までしちゃいました。
ひとつの真実が覆されると、全てが自然な展開となる。巧いな~ずるいな~悲しいな~と、観客の感情を揺さぶる見事などんでん返し。火野正平か枝豆をさえないキャラにしたような主演の椎名(濱田岳)の雰囲気もよかったためか、瑛太の存在感も輝いて見える(濱田が引き立て役とも言える)。さらに中盤以降に登場する松田龍平も魅力的に思えてしまう・・・特に“シャロンとマーロン”のつまらないショートストーリーだって心に残ってしまうんです。
タイトルは「アヒルと鴨の違いを知ってるか?」という、どうでもいいようなテーマでしたけど、観終わってみると、日本語が喋れても未だに日本人に溶け込めないブータン人の悲哀まで感じられます。そして、犬を大切にする精神や、人の命をなんとも思ってないような悪人との対比。復讐をする行為はいかがなものかと思いますが、「風に吹かれて」のように答えを風の中に見つけられず、神様を封印することによって全てを正当化できないやりきれなさを感じさせてくれる。
そのボブ・ディランの「風に吹かれて」がずっと使われているこの映画。本来は反戦歌であるのでストーリーとの関係も考えてみたくなります。戦争を続ける絶対悪を動物虐待を続けるチンピラたちと比較しても、テーマがこじんまりとしてしまってる。それでも外国人に対する偏見を取り去るとか、困ってる人を助けよう・・・などといったエピソードはよかったかも。
時代を先取り
原作2003年、映画化2007年。10年以上も前だけど。
「風に吹かれて」を歌うボブ・ディラン=神という設定。まさかこの後ノーベル賞貰っちゃうとはね。
最初は椎名(濱田岳)新しいアパートの隣人・河崎に、書店襲撃の話を持ち掛けられるなど。不思議な展開で始まり。
ペットショップの店主・麗子が「河崎を信じるな、あいつには気を付けろ」というと、河崎も「麗子を信じるな、気を付けろ」って、この二人なんかあったの?。ますますわからない。
加えて河崎(瑛太)が怪しいというか、うさん臭いにおいがプンプンして、何なんだこの人?。
現在の話Aに、過去の話Bが折々挿入しながら進んでいくのですが。これが、意外にわかりやすかった。普通だとごちゃごちゃになりそうだけど。メインの人物が絞られてるからかな。
麗子の「河崎はもういない」、河崎の「隣の隣は、隣の隣(つまり逆もある)」。ええー?。
前半の「???」が「!!!」に変わった瞬間でした。
ここからカチッとスイッチが入って、びっくり(驚)。
そっちかよ?!とムンクの叫び状態になること必至。
そういう過去があったから、今こうなっている。
ここネタばれなので、伏せます。
書いたら面白くない。
エンドロールに「文化庁」とありました。
同じアパートの住人であるブータンの留学生ドルジが出てくることで、ブータンの話がいろいろ出てきます。だからか?。
でも時々挿入される、「動物虐待」事件(冒頭に「動物は傷つけてない」って出てたけど)。これに後援するのはどうかと思うけどね。
伊坂幸太郎作品を観てみようと思い立つ
「風に吹かれて」が頭から離れない…
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