「トラウマの克服はならず」劔岳 点の記 The Dudeさんの映画レビュー(感想・評価)
トラウマの克服はならず
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劔岳は10年以上前に登った。山に登るくせに高所恐怖症な私にとって、未だに思い出すと怖気が走るルート(ポピュラーな前劔からのルート)だった。本作で客観的に登る姿を見てトラウマ克服と思ったが・・・別ルートからとは。しかも山頂の辺は、はしょっている・・・・・残念だ。ノブが滑落するシーンで恐怖だけは少々蘇った。
映画についてだが、道無きところに道を作る。これだけで感涙する。何気に歩く登山ルートも最初に誰かが苦難の中で切り開くものであり、その姿を見ていると客観的な視点は飛んでしまう。
無茶なスタントまでさせて(雪渓で滑り落ちるのは経験してるだけにドキっとするシーンだった)、あくまで山での撮影にこだわった監督に敬服する。淡々と職務をこなす姿を描くことを積み重ねていくスタンスも今時珍しいタッチで好ましい。故に最後のトライが輝くのだ。役者も皆良い芝居をしている。
難を言えば、鳴りっぱなしの音楽が耳障りな点と、宮崎あおいの後半のシーンが長すぎて不要に思えること。音楽については「旗」のシーンで一切流さなかった。ここは嬉しい。
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