父ありきのレビュー・感想・評価
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『ねッ、父さん。』
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『ねッ、父さん。』なんて言葉、何年言ってないだろう。
と言うか『父さん』なんて上品で、小学校低学年は『父ちゃん』だった。だから『父さん』って一度も言わなかったって事だ。
そう言えば『パパ、ママ』が僕の世代では別格に上品だったなぁ。
25歳になったような息子が、親父と二人だけで旅行なんか行くか?
なんか薄気味悪い。戦中真っ只中。これから東京は焼け野原になる。小津安二郎監督は、その状況をどう判断していたのだろう?
また、親父の死なんて泣く様な話ではない。
西洋は『父親殺し』とか『子殺し』の哲学があるくらい。
『東京暮色』と同じ演出家にはどうしても見えない。
リベラルな父親が立派な息子を育て上げ、礼節を抱いて旅立つ。従って、父のいない社会は、これからどんな社会になるのか?
と言いたいのか?
まぁ、兎も角、いつもより台詞の回し方もぎこちないし、正面から撮るこだわりも少なかった気がする。
どっかに何かが隠されていると思い評価はする。
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