シッコのレビュー・感想・評価
全21件中、1~20件目を表示
アメリカの医療体制の問題を切実に、でもユーモラスに。
アメリカの医療制度の現状と問題点を、他国と比較しながら追ったドキュメンタリー。
…なんだけど、一言で言うなら監督による痛烈なアメリカの医療体制批判であり、現行制度に対するアメリカ国民への問題提起の映画だった。
日本のドキュメンタリー映画って、なるべくフラットに観客に事実を伝えた上で答えを委ねるスタンスのものが多い感触があるんだけど(ここ数年観たドキュメンタリー映画からの個人的所感)、本作はマイケル・ムーア監督の意図(意思?)というか、メッセージがめちゃくちゃ明確にこもってて面白かったなあ。
アメリカの医療、その後の人生を左右する一刻を争う治療が、金銭面の問題で受けられないという事例がざらにあったり、医療費が払えない入院患者を病院がタクシーでダウンタウンに置き去りにするって、かなり恐ろしい…。
医療や福祉といった人の生命や生活にダイレクトに左右するセーフティネットは、市場主義の民間企業が介入して競わせるとこうなるんだなと、アメリカの医療の仕組みは反面教師として心に刻まれると思う。
しかし、国民皆保険制度は私も素晴らしいと思うけど、その制度を取ってる国が映画ではかなり美化されてた感があり、こんなに上げる?ってくらい持ち上げられてた気もする。笑
あとこの映画で描かれるアメリカ人の共産主義への過剰な恐れというか拒否反応がまあユーモアで描いてるんたけど面白いレベル。誇張して描かれた部分もあるんだろうけどクスリと笑ってしまった。
アメリカの医療保険
アメリカの人口3億人のうち5000万人が無保険者であるが、医療保険に加入していても、保険会社に難癖つけられて支払い拒否されたり、高額な医療費を請求されて支払不能に陥ったりする悲惨な状況を生み出しているというのがこの映画が作られた2008年当時の実情だったんだね。 その後は2014年に国民皆保険を目指すオバマケアが実施されて、3500万人が保険に加入することができたけど、今のトランプ政権になってからそれを見直すという話になって、廃止法案が提出されているのが現状ということだ。 またよく話題になっているT P Pではこのアメリカ型の混合医療(保険診療+自由診療)を導入するかいなかが議題になっているみたいだね。 イギリスは戦後すぐ国営医療サービスが実施されて無償、フランスは政府が国民を恐れている国だから医療は無償など、知らなかったな。そうだったのか。でも、あたかも夢の国というような演出はアメリカとの違いを際立たせるために作為的に編集しているね。コメディドキュメンタリーだからいいのか。 アポなし突撃取材は過激さがトーンダウンして、全体的に落ち着いた印象だった。最後にムーアが政府に洗濯物を持って行くというシーンは諸外国に遠征した長期間のロケだったので、洗濯物が溜まっていたということなのかな。
wallet to ballot
キューバまで行っちゃうんだ。
金儲けから逃避へ
民主主義だから。
女性の参政権がなんであるのかと問わないと同じように医療制度がある。
カナダもイギリスもフランスも皆うまく行ってることばかりではないだろうから鵜呑みにはしないとしても。
ものすごい割合、金額の税金を払っている、共助の思想もない国で。税金ではまかなわれないから、税金納め、家族を養い、税金では弱者を支援しないということで、さらに支援団体に寄附をしている。馬鹿みたい。
フランスみたいな育児支援医療制度介護支援があれば雇用も生まれる。日本みたいになんでもアウトソーシングはだめ、中抜きされ儲かるやつと、さらに弱者を生み不公平な労働条件、サービスの質の低下、侮蔑と虐待が生まれる。
民主主義とはなにか
を考えず民主主義を享受していると考える大半の人たち。
この国に住む全ての人の、生きる権利尊厳が保障されてこそそこからの民主主義と思うけど。
マイケルムーアらしいユーモア、全く笑えない。少し前に見ていたら、アメリカひでーな、という感想だったかもだけど、今みたら、いや他人事ではない、日本とこうなるし違う形にみえるけどなってしまってるね、と切実でほんと笑えない。
逆から読むと愛着のわくタイトル。
かつては薬関係のお仕事に従事したことがあるため興味のある映画でした。アメリカは先進国では唯一公的な国民皆保険制度を持たない国。アメリカへ旅行に行って、海外旅行者保険が切れたら大変なことになることがわかりました。国民は民間の医療保険に加入し、多くがHMO(Health Maintenance Organization)というへんてこな組織が医療機関やカバーできる病気を選定してしまうという・・・ややこしそうです。とにかく、患者の既往歴とかをチェックし、この病気には保険が利かないなどと、患者にとっては不利な制度。 保険会社も病院も利潤追求が最大の目的。あれこれ理由を見つけて患者を拒否すればするほど有能な医者ということになるらしい。まぁ、日本でも生命保険なんてのはそうだけど、患者にとっては負担がどうこうよりも、命がかかっている問題なわけですから・・・。日本では病院が救急患者を受け入れてくれないことが新聞を賑わすのですが、アメリカではこれが常識なんですね。 今回のマイケル・ムーア監督。まずはカナダに行って、医療費がタダだったことに驚く。イギリスに飛んでも、HNSの制度に驚く。そしてフランスでも・・・。そういえば、日本も患者負担金がどんどん増えてきてますが、老人医療費の高騰を理由に医療費を抑制するだけの医療行政に問題があるのでしょう。国庫負担率を下げ、公共事業費ばかりに予算を使うという・・・。国立病院ってのも無くなっちゃいましたからね~小泉行政改革のせいで。「官から民へ」などというスローガンが突き進めば、そのうち日本の保険もアメリカ型になりそうで怖いものがあります。 映画ではヒラリー・クリントンが国民皆保険を訴えるシーンもあったりして、政治色の偏りがある内容なのか?と思わせたりするのですが、その夫人も現在は医療保険組織から巨額の献金を受けていて、全く口にしなくなったとか。日本では医療費の大部分を占める薬剤費が同じような傾向があり、厚生官僚の美味しい天下り先となる製薬メーカーから巨額の献金を享受する政党の存在。ほとんど同じ構造です。 イラクに出稼ぎに行く父ちゃんのエピソードとか、最初はどことなく反米的なテーマも見受けられたけど、監督としてはアメリカ人に観てもらいたい映画なので、きっちりまとめているところがえらい。病気になったらキューバへ行こう!なんて言えないですもんね。 【2007年10月映画館にて】
監督の才能となによりもメディアの人間としての良心と矜持を改めて高く評価する
問題点を多面的に取り上げて、他国との比較の上でどうなのかと問う 第三者の視点でなく当事者を登場させることで、観る者に自身の問題として考えるように構成してある もちろんマイケルムーア監督の考える方向性で結論付けられてはいるが、決して独り善がりな自説に付き合わされる凡百の同種のものとは一線を画す ウィットを効かせたシーンと皮肉を織り交ぜ退屈させない仕掛けのバランスも絶妙だ 果たして日本で同じレベルでドキュメンタリーを作れるだろうかと思うと暗澹たる気分になる ムーア監督には作家性がある 自身の批判サイトさえ応援できる余裕すらある 日本の今のメディアはどうか? メディア自身が記者匿名のまま隠れて騙すことしかやっていない ニュースで劇団員に仕込み原稿をインタビューとして自らの主義主張を言わせるなんてのは序ノ口だ もっとひどいフェイクを仕込む悪辣な手口は高度化して、もはや何もかも信じられなくなってしまっているのだ だからこそ、この監督の才能となによりもメディアの人間としての良心と矜持を改めて高く評価したい
「私」ではなく「私たち」を大切にする
映画「シッコ」(マイケル・ムーア監督)から。
国民健康保険がないアメリカの実態を、
ドキュメンタリーで表現している作品。
国民は民間の保険会社で保険に加入するしかないが、
痩せ過ぎ、太り過ぎで、保険に入れない。
日本とまったく違って、いろいろな理由をつけては
「加入はお断りいたします」と言われるようだ。
また、運よく加入できたとしても、
保険金を支払う段になると、既往症の申告がなかった等、
必ず逃げ道(支払わなくてもすむ理由)を探すという。
これが本当の話なら、住みたいとは思わない。
ある人が、このアメリカについて語ったシーンがある。
皆保険のキューバと比べてのコメントだった。
「大事なことが1つあります。
国が生産性を高め、裕福になれば、その分、
もっとよく国民をケアするべきです。
『私』ではなく『私たち』を大切にする。
その基本ができなきゃ、ボクらは何も直せない」。
世界に向けてリーダーシップを発揮するアメリカだが、
その前に、国民を大切にして欲しい、と心から思った。
いくら「個人」を基本とした国民性だとしても。
剣よりも強し!
毎度のことながらエンターテイメント性の高いジャーナリズムを貫いてますね。難しいテーマなのに全然あきません。 マイケル・ムーアの人柄もにじみ出てて、正義を振りかざす感じは全然しない。出てくるブラックジョークなんかもとってもいい。 アメリカを愛して入ればこそ、問題意識を持ち続けているのだろうな、と感じます。 でも、正直アメリカには住みたくないなあ・・・大樹の陰にはいりたがる日本にとっては反面教師でいいんじゃないでしょうか。
わたしの暮らしは誰が守る?
日本については全く触れていないけれど、 自分が住む国の保険/福祉について真剣に考えるきっかけになります。 利権が及ぼし得る国民生活への悪影響の例でもあるでしょう。 ただし制度がどうであれ、医療福祉はやさしさ、思いやりの上にしか成り立たないと信じたいです。
絶対、捨ててはいけない皆保険制度
これはボーリング・フォー・コロンバインや華氏911のマイケル・ムーアの新作ドキュメンタリーです。前作、華氏911がちょっと作りすぎ?という感じがしたのですが、今回のSickoはその辺抑え気味(それでも終盤のキューバに渡るところは強引ですが。)でよくできていました。 感想は、「この国(アメリカ)の医療制度は終わってるわ。」です。もちろん、自分が手術受けたときにうすうす感じましたが、これが日本の目指す医療制度だとしたら、大きな間違いです。日本に居たとき、たまに「アメリカみたいに金あるやつだけが手術受けられるような仕組みにすればいいんだよ」とほざいている医者がいましたが、たぶん、勘違いしています。この映画を見ると考え変わるかもしれません。治療行う前に患者の入っている保険と相談して治療方針決めるんです。やりたい医療できますか? 映画には出てきませんが、WHO調べで日本の医療費は世界最低レベルらしいです。これは、医療水準が低いという意味ではなく、医療行為の料金が安いために医療従事者の人件費にしわよせがいっていることです。まあ、それはさておき、日本は皆保険制度を手放してはいけません。なんとしてでも死守するべきです。映画にも出てきますが、カナダの保険制度は目指すに値するのではないでしょうか?カナダの友人も、医療は全て無料で受けられるといっていました。素晴らしいっす。ちょっと熱くなっちゃいましたが、おすすめです。是非、見てください。 ただ、一つだけ。マイケル・ムーアは100%真実を伝えてはいません。皆保険制度の良い面を強調しています。その証拠に日本の話は一つも出てきません。日本は医師や看護師の「奉仕」で成り立っています。彼らの報酬は欧米の3分の1から4分の1です。ヒラリー・クリントンが日本の医療従事者のことを聖人と言ったのは、皆保険制度で付きまとう医療費削減を医療従事者が一手に引き受けている故だということは無視できない、と個人的には思います。
このような映画はどうしても疑ってしまう
一級品の左翼エンターティメントなドキュメンタリー映画。 たしかに面白かったです。 そして、とても勉強になりました。なにが勉強になったかというと、各国の保健制度の有様がわかったからです。いろいろ考えるきっかにもなりました。 しかし、他のマイケル・ムーアの作品同様、この作品もあくまで理想主義者の立場からの作品です。理想人が重箱を突っつくように、アメリカの保険制度の悪を、おもしろおかしく浮き彫りにしていく。しかし、そこで描かれている現実はあくまで表面的なものを都合よくピックアップしているだけなんですよ。裏を返せば、あまりにも浅薄に人が食いつきそうな側面だけ描いてるだけなのです。 ある種の宗教的な映画といっても過言ではありません。 慈愛の押し売りしているような映画です。
Michael Mooreは天才だ!
久しぶりに家族3人で見た映画だったのですが、何で俺はアメリカに住んでいるのか?家族3人で、イギリスか、フランスか、せめてキューバにでも移住したいと真剣に思わせるMichael Moore。君は天才だ!
パワーを持ったムーアの新たな戦い方
マイケル・ムーアは、大物や大企業でも決して敵対して関わりたくない大物になった。故に前作『華氏911』における彼自身のパフォーマンスは、ゴリアテとダビデが逆転したのか一方的で精彩に欠ける内容だった。今回の所謂「アポ無し取材」は行わずに、彼自身の名声をフルに活かして英雄救済という行動に移るのは彼の新たな戦術だろうか。
グアンタナモ→キューバという流れも彼の中では計算済みだろう。彼の名声の前には海軍もどこか遠慮がち。キューバの見せる超親切待遇も彼の名声故だろう……でも、それでもいいじゃないか。計算でも何でも苦しみ報われなかった人々が救いを見いだす姿はやはり感動を呼ぶ。多くの人間を絶望の淵から掬い上げるなんて誰にでも出来ることではない。自身のパワーをそこに使うムーアを褒めたい。(アンチサイトの主救済には笑った。パワー(金)があるってのは凄いことだ)
肝心の内容だが、やはり面白い。この分かり易い論法とユーモア、巧みな編集術を見ていると『不都合な真実』の退屈さの理由が良く分かる。惜しむらくはフランス賛辞のシーンが長くてダレを感じる。カットするか日本に来て保険制度を斬ってくれ!(アメリカよりは100倍マシだろうけど。)それにしてもアメリカに住みたくなくなる映画だ。
毒気が薄れたけど
これまでの作品に比べて少し毒気が薄れた気がしました。それでつまらないと感じるかもしれませんが、個人的にはちょうどいいかも。『スター・ウォーズ』のOPのパロディとか、相変わらず笑えるところも随所にありますし。 それにしてもアメリカの保険制度の怖さを実感しました。よほど健康に自信がないと、アメリカには定住できそうにないですね…。
ムーアのステップアップとヒートダウン
マイケル・ムーアと言えば、『ボウリング・フォー・コロンバイン』で全米ライフル協会会長でオスカー俳優でもあるチャールトン・ヘストン邸にアポなしで乗り込み、「なぜ発砲事件の悲しみに明け暮れる町でライフル協会の大会を緊急開催したのか」と詰問する姿が印象的だった。思ったことをストレートに行動に移し、不条理な出来事への憤りをあからさまに表現し、無骨に図太く取材を進めていく、あの“アツさ”が大好きだ。 しかし、『華氏911』、そして本作へと進むにつれ、ムーアのアポなし取材はさほどの強烈な印象は受けなくなった。ムーアの作るドキュメンタリーは、問題の核心に迫るためのベストな構成や盛り上げ所の的確さ、編集技術など、作を重ねるごとに秀逸になり、巧くなっていった。が、温度が下がっていった気がする。“華氏911”だなんて、言っちゃいられないくらいに。もちろん、取材相手がムーアに対し大いに警戒して、やりにくいのかもしれない。しかし、あの憤慨するムーアの表情こそ、彼の持ち味なのに・・・。 今回のムーアのターゲットは医療制度。相変わらず巧いムーアの演出力(または編集力)により、言いたいことはストレートに、分かり易く伝わってくる。ただ、やはり何か物足りない。フランスと自分の国の医療制度の差異を知った時のムーアの、羨ましそうな表情は印象的だったが、やはりどこかクール過ぎる。ムーアは、アツくないと!
ぜひ、ひっかけたい。
華氏に続く、マイケルの傑作ついに登場!アメリカの冗談のような信じられない医療現場の現実に唖然としまくり。アメリカに住むことに長年あこがれていたが、完全却下!!!住むなら、カナダかイギリスかフランスだ。 試写会でやたら笑っているやつがいたが、笑ってる場合じゃない。日本も同じ問題も抱えているからだ。政府や企業に踊らされるだけでテメェの頭で考えないとこんなひどい目にあうという最高の実例だろう。それと同時に、マイケルの自国への愛がビシバシ溢れている。マイケルやっぱ最高だぜ!!!早く日本脱出したい・・・。マジで怖いわ。
ムーアの真摯な姿勢が胸に迫る1本
何とも恐ろしい映画だ。本作は、"健康"という誰にでも関係のあるキーワードが関わっている作品だが、"改革"の名の下、年次改革要望書というアメリカからの"お達し"でアメリカ型の社会を目指す日本に暮らす僕らにとっては、まったく他人事ではない。そして何より、金儲けのために、人の命や健康が見捨てられているアメリカの異常な現状に反吐が出る。 そもそも何故アメリカの政治家が国民皆保険制度の導入に反対をしているのか、その詳細については実際に映画を観ていただくとして、彼らが主張するのは「国民皆保険制度なんて、共産主義のやること。赤だ!」という大原則・・・呆れてものも言えません。 しかし、そんな異常な状況を観衆に分かりやすく伝え、かつ冷静に判断してもらえるよう、ムーアは国民皆保険制度が導入されている諸外国の実情を現地に取材して、丹念に、そして真摯に調べ上げている。そこには、独自の調査をあまり行わず、ありもののデータを使って作り上げた「華氏911」(原因は、大統領選までに仕上げないといけない、という時間の制約だと思うけど)と比較して、映画作家として格段に成長したムーアの成熟が感じられるのだ。必見の1本。
これはテロだ!
『華氏911』のマイケル・ムーアが、またまたアメリカの恥部を暴きました。それは、医療問題。先進国で唯一と言われる国民皆保険システムの無いアメリカの医療に関する問題をまじめに暴きます。 ”テロより怖い医療問題”と言うのがこの映画の宣伝文句ですが、結構シャレになっていません。アメリカテレビを見ていると、よく「保険が無いので病院にいけない。」とか「私の保険はフルカバーなので大丈夫だ。」とか言うセリフを聞きます。国民皆保険の整っている日本では、理解しがたい言葉ですが、アメリカではそれが普通です。富める者にだけ富が集中し、そうでない人々は益々貧困になっていく、それがアメリカであると言う現実。安全もお金で買い、健康もお金で買うと言うそのアメリカの現実。これでもかと、希望がなくなるほどに、アメリカの医療システムのダメさ加減が明らかにされます。 政府の許可無しでキューバに渡航したため、マイケル・ムーア自身に米財務省から調査が入り、その結果として、政府からのフィルムを差し押さえられる危険性が出てきたので、編集したフィルムをカナダに隠匿したりと、公開前からいろいろと騒動はおきていましたね。 アメリカの医療制度の比較として、カナダ、イギリス、フランス、キューバの各国の医療制度が説明されているのですが、いずれの国も非常に手厚い医療制度(フランスに至っては、子供の養育制度まで)が整っていることに、非常に羨ましい気になりました。これらの国は、基本的に医療費は無料ですからねぇ。翻って、日本はと言えば、国民皆保険のシステムは導入されていますが、年々医療費は高騰し、それに伴い個人負担も増加傾向。段々アメリカのダメダメ医療システムに近づいていると言っては過言でしょうか。そういえば、子供の養育システムも非常に充実しているフランスは、先進国で数少ない子供の出生率が上昇した国ですからねぇ。少子高齢化が激しい日本も、参考にすべきです。 それにしても、後半の、911の救護者達に起きている悲劇の話は、ちょっとどうかなぁと思いましたよ。なんで、アメリカ政府は救済しようとしないんでしょうね? まぁ、だからキューバに行ってしまったわけですが、それがアメリカの病巣の深さを印象付けています(キューバへの渡航手段に関しては『アメリカの国家安全保障上の問題から(by米国土安全省)』描かれていません。このカットがDHSの紋章を背景にしているのも、いかにもマイケル・ムーアらしいですね)。見てみて、アメリカの先行きに不安を覚えました。そして、アメリカに追随しようとしている日本にも。どこか海外に、逃げたくなりましたよ。ブッシュ政権が、この映画を敵対視していることも、よくわかります。日本がこうならないためにも、よく、政府の行動は監視しましょうね。
全21件中、1~20件目を表示