「実際に起きた事件で、デビッド・フィンチャー 監督はエンタメ性を敢えて抑えた?」ゾディアック Kazu Annさんの映画レビュー(感想・評価)
実際に起きた事件で、デビッド・フィンチャー 監督はエンタメ性を敢えて抑えた?
デビッド・フィンチャー 監督による2007年製作(157分)のアメリカ映画。
原題:Zodiac、配給:ワーナー・ブラザース映画、劇場公開日:2007年6月16日
実際にあった有名な事件に基づく映画だそうで、話が少々ややこしくて追いていくのが大変であった。原作通りだから仕方がないが、一番怪しい人間が犯人らしいということで、ストーリー自体には意外性はなく、物足りない。
主人公役のジェイク・ギレンホールの演技は、上手いとは思った。そのせいか、事件に取り憑かれてしまう展開も、頭では良く理解できた。ただ、妻にも見放されてまで事件にのめり込むことへの共感は、自分にはあまり感じられなかった。
敏腕記者ロバート・ダウニー・Jr.が、この事件をきっかけで酒クスリに溺れて身を崩していく描写も、説明が乏しい為か、不思議に感じてしまった。
ただ、デビッド・フィンチャー 監督自身がこの事件に取り憑かれ主役たち3人に共感し、エンタメ性を敢えて排除し、被害者のみならず多くの人間の人生に影響を与えた事件そのものに焦点をあてたと捉えると、その真摯さには敬意の様なもの覚えた。
監督デビッド・フィンチャー、製作マイク・メダボイ、 アーノルド・W・メッサー 、ブラッドリー・J・フィッシャー、 ジェームズ・バンダービルト、 シーン・チャフィン、製作総指揮ルイス・フィリップス、原作ロバート・グレイスミス、脚本ジェームズ・バンダービルト、撮影ハリス・サビデス、美術ドナルド・グレアム・バート、衣装ケイシー・ストーム、
編集アンガス・ウォール、音楽デビッド・シャイア、音楽監修ランドール・ポスター。
出演
ジェイク・ギレンホール、マーク・ラファロ、ロバート・ダウニー・Jr.、アンソニー・エドワーズ、ブライアン・コックス、イライアス・コティーズ、ドナル・ローグ、ジョン・キャロル・リンチ、ダーモット・マローニー、クロエ・セビニー。