劇場公開日 2008年11月22日

「配役が不適切」私は貝になりたい Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0配役が不適切

2013年3月16日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

悲しい

総合:60点
ストーリー: 70
キャスト: 50
演出: 50
ビジュアル: 70
音楽: 70

 かつての日本軍の酷さとその後の連合軍による一方的な裁判の不公平さはつとに有名である。そんな不条理を取り上げるのは悪くない主題だとは思うのだが、どうも主演の中居正広の立ち振る舞いが田舎の苦労人の散髪屋には見えない。科白の言い方一つとっても洗練され過ぎていてあまりに現代人らしくて、戦後すぐの時代設定という映画を見ているという印象を持つことが出来ない。それを除いても演技が上手とは言い難い。いい演技をする実力者もいるのだが、全体に他の出演者もとてもきれいですっきりとした演技をしすぎていて逆に不自然。そんなわけで映画にのめり込むことが出来なかった。

 映画の中では日本側ばかり描いているのであまり触れられていなくて、彼らの背景どころか名前すら出てこないほどの軽い扱いだが、戦時捕虜として正当な扱いをされることなく殺される必要もなかったのに殺されたアメリカ軍パイロットもいい迷惑。一応捕まって縛られているうちに死んだのだから直接殺されたのではないかもしれないが、すぐに手当をしていれば助かったかもしれない。こちらも不条理な死に方であるし、作品中のその扱いの低さにも不条理を少し感じた。

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Cape God