「「貝」」私は貝になりたい クラシコイタリアスタイルさんの映画レビュー(感想・評価)
「貝」
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人類の歴史は、戦争の歴史である。
どこかで聞いた台詞であるが、本作は、その戦争の中に生きた一人の兵士に焦点を当てたものである。
我々は日々、情報に触れている。
それは新聞であったり、ニュースであったり。
その中で我々は、◯◯人死亡、といった表現をよく目にする。
情報時代の我々にとって、
時にそれは単なる数字に見え、そこに、何らかの感情を抱くことさえない時もある(残酷なことではあるが)
しかしそこには確かに、我々が知らない、その人の生きたストーリーがあったはずだ。
そして、その人の生きたストーリーの周りで、想像も絶するほどの絶望、そして悲しみが生まれている。
しかし、高度に情報化された社会においては、そうした側面に、個々人が焦点を当てることも少なくなりつつある。
そういった背景の下、本作は、そのアンチテーゼとしての意味合いも含まれていると思う。
マクロな視点ではなく、よりミクロな視点から見ることができたなら、戦争というものの恐怖、絶望、そして悲しみ、そうしたものがより分かるのではないだろうか。
本作は、そうした、ひとえには表せぬ感情や嘆きを、様々な形で表現している。
そしてそれは、これからの新たな世代へと伝えられていくべきものでもある。
それは今後人類が、舵を切っていく上で、進むべき方向を指し示してくれる原動力となってくれるのではないだろうか。
人間の内面、そうしたものに触れ、伝えていかなければならないことを表現した作品。
これには、文句のない高評価です。
注:私は、この映画を見たことはありません。
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