劇場公開日 2007年8月4日

「マイケル・ベイへ、ごめんなさい」トランスフォーマー Taiyakiさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0マイケル・ベイへ、ごめんなさい

2007年8月20日

笑える

楽しい

興奮

僕はマイケル・ベイ監督が嫌いであった。
唯一僕が見た彼の作品はアイランドだけであったが、只馬鹿みたいにたくさんアクションシーンを盛り込めば映画として成り立つだろう、という作風に嫌悪感を抱いた。
以来、映画鑑賞の際は、彼の作品は極力避けるようにしてきた。ところがである。
今回トランスフォーマーの監督を引き受けたのはほかでもないマイケル・ベイ。
僕はプロデューサーであるスピルバーグに怒りさえ覚えた。
しかも予告編を見たときビースト・ウォーズ世代の僕にとって、なぜ人間が出て来るか謎であった。
もうすでに映画への期待などないに等しかった。

が、今日映画を見終えて、マイケル・ベイに言いたいことが一言ある。

すみませんでした。
完全なる僕の敗北です。
今までのご無礼お許しください。

まず始めに、宣伝文句である映像革命のことだが、これは決して伊達ではない。
スタッフ一人一人が時間をかけ、丁寧にこつこつ作り上げていってできた賜物だ。
ホントに細かい部品一つ一つがトランスフォームしていく。
これほどの爽快感はない。

次にこの作品の映画力。
映画とは”画”を”映”す芸術である。
しかし、画を映すだけでは足りない。
最初絵画が白黒であるように、映画は最初何の色もついてない。
映画をより鮮やかにするために、色を塗る。
その色とはシナリオや特殊効果などである。
この映画の色が全く偏っていないのに驚いた。
最初からアクション映画だと思って構えていたのに、キャラクターに感情移入しやすいほどストーリーがしっかりできている。
特に笑えるシーンが多かったのはびっくりした。
さらに、等身大のヒーローであるシャイア・ラブーフ。
彼の魅力なしにこの映画は成り立たなかった。
このように、この映画はさまざまな色が組み合わさってできた映画である。

最後に、この作品はスピルバーグの作品であること。
様々な所にマイケル・ベイからスピルバーグへのオマージュを散りばめさせている。
スピルバーグのファンならニヤリとする場面が少しはあるだろう。

もう一度言おう。
マイケル・ベイ、完全に僕の負けだ。
ごめんなさい。

Taiyaki