「ヤンチャ坊主、襟元を正す」トランスフォーマー josh lemon lymanさんの映画レビュー(感想・評価)
ヤンチャ坊主、襟元を正す
基本的にはいつものベイ・ムービーだ。笑えないジョークのオンパレードに画面を覆いつくすモノ・モノ・モノ。派手なら何でもいいという大雑把な演出でディテールは二の次。ロボットたちが取っ組み合いを始めたら最後、スクリーン上で何が起こっているのかサッパリわからない。
ただ、今回はスピルバーグが後ろに控えていることで明らかな変化が見られる。まず人があまり死なない。無駄に暴力的で主要キャラ以外は虫けらと言わんばかりの不遜な態度が画面上から消えた。それから等身大の人間視点でのバトルシーンの挿入。「ジュラシック・パーク」におけるヴェロキラプトルとの対峙シーンに相当するマイナーな闘いが随所で描かれる。それにティーンエイジャーの少年が主人公というのも、冴えない少年の感情表現には何の興味もなさそうなベイ主導の映画にはありえない構成。親の監視の中、ヤンチャ坊主が少しだけ襟元を正した映画という印象だ。
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