プレステージのレビュー・感想・評価
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さすがクリストファー・ノーラン!
2度目の方が楽しめる!
ほぼ全編に張り巡らされた伏線は見事。
結末を見てからもう一回見ると会話などにも辻褄が合うようになっている。
きちんと演じ分けてるクリスチャンベイル。
ヒュージャックマンの演技もすごい。
しかし一番の伏線は鳩のトリックを嫌って居たアンジャーなのかも。
ノーラン節
残酷な映画だなぁ
物語は複雑なうえに強引だが、手品に憑りつかれた人々の幻想的な雰囲気は出ている
総合70点 ( ストーリー:65点|キャスト:75点|演出:75点|ビジュアル:80点|音楽:70点 )
手品というよりはもう魔術といったほうがいいようなところまで行ってしまっている。真面目に現実的な手品を追及して描くのではなくて、手品に憑りつかれた人たちの幻想奇譚といったところ。こんなすごい機械を作ってしまっても、それを手品にしか使おうとしないなんてところがもう異常なのだが、雰囲気だけでなくちょっと異常性を感じるという意味でも「パフューム ある人殺しの物語」「幻影師アイゼンハイム」に似ている。
そして現実離れした能力やその異常性を基にして物語を複雑にしてくれても、物語がしっくりとこなくて納得出来ない。確かに複雑だし何がどうなっているのかわからなかったので展開が読めないという面白さはあったが、これだけのことが出来るのならばそりゃどんな展開でも好きに作れて何でもありになっちゃうだろう。いろいろと伏線が貼ってあって謎解きの楽しみもあるが、筋は通っていても非現実的な強引さが物語には目立った。
物語は複雑なので見直しをしてネットで解説を読んで理解した。観終わってまたすぐに観直した作品は初めてかも。いい解説のサイトがあったので理解の参考にしました。
エイチティーティーピー://eiga-kaisetu-hyouron.seesaa.net/article/136396295.html
美術と衣装は出来が良い。憑りつかれてしまった出演者の演技も全体の雰囲気づくりも良かった。でも観たのが日本語吹き替え版で声優の声がかなり本人と違っていたのと役作りの服装のせいもあって印象が薄く、デビッド・ボウイが出演しているのには観終わるまで気が付かなかった。英語版を観たのだったら印象が変わったかな。
アメコミ役者の奇術対決
マジックの魅力は上手にだまされる楽しさだろうと思う。
観客は何とかタネを見破りたいと必死に目を凝らすものの、まんまとだまされて「すごい!」となる。
最近ではTVマジシャンがショーの後にタネあかしをして、二度目の拍手をもらうというのもよくあるようだ。
そうした奇術師の魅力が、そっくりそのまま入ったのが『プレステージ』という作品だ。
演出の才能に恵まれたアンジャーは、マジックの舞台事故(水槽を使った脱出マジック)で妻を失ってしまう。その原因を作ったのが、奇術開発に優れたボーデン。
アンジャーは復讐心から、ボーデンの舞台中に観客としてもぐりこんで手品を台無しにしてしまう。結果、ボーデンは指を失い、奇術師としてのハディキャップを背負う。
そこからは二人は奇術師としてガチンコ勝負に突入していく。
しかしながら彼らは本質的に似ている。
それぞれの最大の持ち技である瞬間移動を見破るため、スパイを送り込んだり日記を奪ったり。
卑劣な手もいとわずに相手の鼻をあかしてやろうと、あるいは自身のマジックを高みに押し上げようと画策する。
ところがなんとなく話の筋がおかしい。
タネを知っているはずのタネ仕掛け職人が「お前はもう知っている」とたしなめたり、事故に至ったロープ結びを結んだ本人が「覚えていない」と言い張ったり。
アンジャーが必死にボーデンのタネを知ろうとすればするほど謎が深まり、あせりが友人の信頼関係を失わせていく。
一方、ボーデンが得意とした人体瞬間移動をアンジャーも完成させたことから、いよいよ二人は引っ込みがつかないところまで突き進んでいく。
同時に観客も信じられない場面に遭遇する。
ありきたりのサスペンスから予想外の事態に吹き出すか憤慨するか、いずれにしても心が激しく揺さぶられるだろう。
その楽しみは鑑賞した人だけのものだ。
それにしてもXメン・シリーズのウルヴァリン、ノーラン版バットマン三部作のバットマン、それぞれにヒーローを演じているヒュー・ジャックマンとクリスチャン・ベールが、舞台奇術で競い合うというのもおもしろい。
ヴィランとの戦闘で衆目を集めるヒーローが、劇場で衆目を集める奇術師として対決。いずれも肉体派としてやれる実力を持っているだけに、キャスティングだけ聞くと意外な気がする。
ところが実際の作品を観れば、人生全てをつぎ込んだ狂気の奇術師による執念の戦いになっている。
また原作を読んでから鑑賞した場合、セリフの一つ一つが味わい深い。
クライマックスに向かっていく中で織り上げられていく物語が、一つの巨大な奇術に変わっていくさまを観ているようだ。
では評価。
キャスティング:8(アメコミ・ヒーローをやってる二人とは思えない奇術師戦)
ストーリー:9(単なる若手奇術師のケンカにおもえた二人の対立が、何かおかしい違和感にシフト、サスペンスを盛り上げる)
映像・演出:7(奇術のタネをそれと気付かせず映像にした妙)
タネ:4(知ったら「なーんだ」と思うかもしれない。「なんだ!」と思うかもしれない)
ロマンス:6(ポスターに出てくるイメージほど女性ネタは少ない)
というわけで総合評価は50点満点中34点。
舞台裏も含めて丸ごと見ているはずの観客もだまされる。奇術のおもしろさを映画で楽しめるという風変わりな作品。手品が好きな人にオススメ。ついでに映画自体が好きだという人にはさらにオススメ。
手品師も映画もネタがバレてはいけない
結末に納得が行きません。
舞台は19世紀のロンドン。ガス灯から電気灯へ移り変わりつつある時代。二人の手品師「グレート・ダントン」ことロバート・アンジャー(ヒュー・ジャックマン)と「プロフェッサー」ことアルフレッド・ボーデン(クリスチャン・ベール)が、互いをライバルとして研鑽しあっていた。しかし、ボーデンが原因と思われるある事故でアンジャーの妻が死亡してから、アンジャーはボーデンへの復讐を誓い、二人は激しく争っていく・・・。そして、ある時、ボーデンがアンジャーの死を目撃したことで、ボーデンはアンジャー殺しの容疑を掛けられてしまう。
これが、物語のあらまし。電気が珍しい時代で、科学と奇術の境目が曖昧な時代。そう言う時代背景が、随所に見受けられます。その時代背景を受け、ニコラ・テスラという実在の人物がこの物語に登場し、物語に重要な役割を果たしています。アンジャーの死ぬシーンから始まり、アンジャーとボーデンの日記を振り返るような感じで物語が進むので、一瞬時間感覚に混乱が生じますが、時計を遡っているということを理解すれば、問題ありません。
サイドストーリー(と言うほどの分量はありませんが)として、テスラとエジソンの交流・直流論争が描かれています。テスラとエジソンの交流・直流論争を少し解説すると、交流と直流のどちらの電気が安全かという論争で、交流派はテスラ、直流派はエジソンで、相手に対して実際に物理的な攻撃に出るほど、激しい争いになったそうです。結果としては、今の電気が交流であることでわかるとおり、交流のほうが直流より安全で、経済的に効率的であるということがわかって今に至っています。
最初の最初に、監督の「結末は語ってはいけません」という旨の表示がされるので、多くは語れませんが、「う~ん、そう言う結末?!」と言うのが率直な感想。ちょっとやり過ぎじゃないですかね。途中までは、逆転に次ぐ逆転の展開で、ドキドキワクワクだったのですが、最後の最後で外されました。ちょっとなぁ・・・。本当に、途中までは最高だったんですけどねぇ・・・。
スッキリする結末かと言えば、私はちょっとダメでした。でも、話としては、見れない話ではないと思います。デヴィッド・カッパーフィールドが、手品を監修したと言うのも話題です。
まだ観てない方は読まない方がいいかも?
というのは終わり良ければ全て良しといっていいほどラスト10分の映画なのであまり情報を入れてほしくないからなんですが、“かも”と書いたのは期待しすぎも禁物な気がするからです。
境界線が曖昧な時系列が複雑でちゃんと観てるつもりでもこんがらがったりして正直私には我慢の時間が長かった。だけど“ちゃんと観てるつもり”がしっかり報われるラストに全部持っていかれたという映画でした。
締めが申し分ないものだったから満足はできたけど、二周目より一周目を大切にしてるような作品(単純を求めてるんじゃなくて観る側に対する親切さというか)の方が私としては嬉しいし、その方が二回も三回も観たくなるので思わずおお〜!っと唸ったものの点数は中の上くらいになりました。
好きな作品かと聞かれたらちょっと考えてしまうし人に勧めたくなるような作品でもないんだけど、ラストに関しては認めざるを得ないしやっぱりみんなに体感して欲しいという気持ちが残りますw
私はアンジャーが舞台下でお辞儀してるのが一番印象的だったので、初め(終盤の)は「落ちた人」が最後に利いてきたのが良かった!けどもっともっと火花散らしてる話かと思ってたな〜と物足りなさを感じてたら全然最後じゃなくそこからが物語の本番で、
アンジャー側のタネもボーデン側のタネも第一印象は肩透かしでがっかりだったんですが、今までのあれこれが全部伏線だったとは恐れ入りました。言葉通り畳み掛けるようなラストでした。
人生をも犠牲にしてまでそこまでするかというほど悲しい男達の物語、役者さん達の凄さを更に堪能するためにも結局私はまたいつか観てしまうと思いますw
面白かった…のかなあ(^^;)??
プレステージというほどの裏がない
真理はいつも誤解のそばにある
この作品は去年の今頃観ました。それも二回観ました。
この作品の監督は時間軸を巧みに使い、観る側まで騙そうとするので、
一度観ただけでは良く理解出来なかったのです。
ヒュー・ジャックマンとクリスチャン・ベールとが
奇術師として凌ぎをけづるライバル役をするのですが、
この二人の、
火花が散りそうなほどの闘争が凄い迫力なのです。
もとはと言えば二人とヒューの奥さんは同じマジックチームにいたのですが、
ある事故でヒューの妻は命を落とします。
それをヒューはクリスチャンのせいと思い込み、
それ以来お互いにお互いの新ネタを面前で暴きたて、対立は深まるばかり。
しかし、クリスチャンがヒューにはどうしても解けないネタを編み出し、
その対抗策としてヒューは足を踏み入れてはならない手段を使い、
とうとう殺人事件が起きてしまいます。
この映画はその殺人事件が起こった所から始まります。
一回目に観た時には、
マジックというネタが必ずある世界で禁じ手を使ったな、
折角の作品が台無しだと思ったのですが、
二度目にこの作品を観て、
実はこれこそがこの監督訴えたかったことなんだと思えてきました。
何のことかは、自分の目で確かめてください。
うむむ
寝ちゃいました
イリュージョンは、命懸け!
手品とかマジックって~のは、もっとお気楽に出来るモンだと思ってました。しかし本作…、いやあ凄い映画でしたよ、いろんな意味で。
最初は『2人のマジシャンが、そのトリックでしのぎを削りあう』というイメージだけで観ていたのですが、途中から『な、なんじゃこりゃ~??』て言うような展開になりまして、そこから話はまったく想定外の方向へとバク進し始め、そしてラストには…(驚)。映画の性格上、あまり詳しいことを書けないのが歯痒いのです(だって、さすがにこの映画で≪ネタバレ!≫なんて書いたら、顰蹙買いまっせ!)が、もおとにかくこれはいろんな意味(良くも悪くも)で、今年1番の“トンでも映画”でございますよ。とにかく観終わってから『あれは実は、そういうことだったのか?』『いや、あのシーンは本当はこういう意味だったんじゃないか?』といった具合に様々な“?”がいっぱい噴出してきまして、吾輩いまだに正解を導き出せていない箇所が幾つかございます(いや、ストーリーはちゃんと理解できてるんですけどね)。そう、正にこの映画が“イリュージョン”その物なのでございます。しかし相変わらず捻った映画を作りますね、クリストファー・ノーラン監督。たまには“素直な映画”、作れんか(ムリ??)?!
キャスティング的には“「X-men」のウルヴァリンと、「バットマン」がマジックで対決!ブルースウェイン家の執事アルフレッドは、何故かウルヴァリンの味方(^^;”っていう構図(本作とは、一切無関係な設定です)が、観ていて何かとっても面白かったです。ここに更に「ロード・オブ・ザ・リング」のゴラムが絡む(だから、無関係だって!)なんて、もう面白すぎます…(^^;。あと、スカーレット嬢は相変わらずフェロモン撒き散らし気味でしたが、今回は何しに出てきたのかイマイチわからん?感じがいたしました。惜しい!
ところでこの映画で、とても重要なキー・パーソンとなる“ニコラ・テスラ”という人物ですが、一般の方はあまりご存じないでしょう(何てこと言ってる、吾輩も知りませんでした)。この方の素性など、事前に少しお知りになっておかれますと、この映画を更に面白く観ることが出来ると思います。予習は大事だよ~。
役者はいいけど、ノーランはワンパターン。
DVDにて鑑賞。
メジャー大作『バットマン ビギンズ』を成功させたクリストファー・ノーラン監督が、美男美女のスター俳優を揃え、製作、監督、脚本も兼ねた渾身の1本。それだけに、ノーラン監督の趣向や実力がはっきりと出ている作品だともいえる。
良かったのはメインの俳優陣の配役と演技。もともとコスプレさせたら右に出るものがいないヒュー・ジャックマンの貴公子ぶり、ノーランお気に入りのクリスチャン・ベールのダークな魅力。二人の明と暗とでもいうべき人間性をうまく対比させながら描いている。そして、スカーレット・ヨハンソンのいかにもという子悪魔的な役どころ、マイケル・ケインのいぶし銀の演技と、デヴィッド・ボウイの変人科学者ぶり。スター俳優たちの魅力をうまく惹き出しているのはノーラン監督の手腕といえる。彼らの演技を観るだけでも価値はある。
問題はノーランの脚本と演出スタイルで、さすがにワンパターンを感じざるを得ない。時間軸を崩し、観客を不安な気持ちにさせ、今回は奇術という形で観客を驚かす。結局、ノーランの興味は観客をいかに驚かすか、観たことのない映像をみせるか、ということに終始しているようである。
今作の場合も、奇術の見せ場中心の構成になっていて、肝心の二人のバックボーンが描かれない。そのため、なぜ、彼らが肉体的にも傷つけあい、命を落としかねないような行為をし続けるのかが観客に提示されない。ヒュー・ジャックマンが妻を殺されたという恨みを持つのはわかるが、クリスチャン・ベールの方はなぜ、またその仕返しをするのか疑問。作品によっては時間軸を崩すスタイルが功を奏すが、今作ではそのためにかえって主人公二人の心の葛藤が描かれず、感情移入できなくなってしまっている。
また、「妻の手首をどう結んだか」という事が重要なキーワードだが、今作の描き方では妻の死体が目の前にあるんだから、その腕を確認すればすむことだ。そして、作品上の重要ポイントとなる二人の秘密のタネあかしだが、原作を読んでいない私でもクリスチャン・ベールについてはすぐに感ずいてしまった。ヒュー・ジャックマンの方については、まさかそんなSFオチにするとは思わず、笑ってしまった。原作も同じだから仕方がないが、それをどう表現するかが監督の演出力だろうと思う。何もかも、伏せ札にしようと最低限のキャラクター描写がなされていないのが、今作の最大の欠点である。
女性の立場としては、奥さんとヨハンソンの描き方にも違和感を感じる。別の人間だったら、その男性を本当に好きな女性ならわかるだろう…。
俳優陣の魅力で最後まで観れるが、ノーランにはチョイ冷めである。
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