劇場公開日 2007年6月9日

「物語は複雑なうえに強引だが、手品に憑りつかれた人々の幻想的な雰囲気は出ている」プレステージ Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5物語は複雑なうえに強引だが、手品に憑りつかれた人々の幻想的な雰囲気は出ている

2013年8月19日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

難しい

総合70点 ( ストーリー:65点|キャスト:75点|演出:75点|ビジュアル:80点|音楽:70点 )

 手品というよりはもう魔術といったほうがいいようなところまで行ってしまっている。真面目に現実的な手品を追及して描くのではなくて、手品に憑りつかれた人たちの幻想奇譚といったところ。こんなすごい機械を作ってしまっても、それを手品にしか使おうとしないなんてところがもう異常なのだが、雰囲気だけでなくちょっと異常性を感じるという意味でも「パフューム ある人殺しの物語」「幻影師アイゼンハイム」に似ている。
 そして現実離れした能力やその異常性を基にして物語を複雑にしてくれても、物語がしっくりとこなくて納得出来ない。確かに複雑だし何がどうなっているのかわからなかったので展開が読めないという面白さはあったが、これだけのことが出来るのならばそりゃどんな展開でも好きに作れて何でもありになっちゃうだろう。いろいろと伏線が貼ってあって謎解きの楽しみもあるが、筋は通っていても非現実的な強引さが物語には目立った。

 物語は複雑なので見直しをしてネットで解説を読んで理解した。観終わってまたすぐに観直した作品は初めてかも。いい解説のサイトがあったので理解の参考にしました。

エイチティーティーピー://eiga-kaisetu-hyouron.seesaa.net/article/136396295.html

 美術と衣装は出来が良い。憑りつかれてしまった出演者の演技も全体の雰囲気づくりも良かった。でも観たのが日本語吹き替え版で声優の声がかなり本人と違っていたのと役作りの服装のせいもあって印象が薄く、デビッド・ボウイが出演しているのには観終わるまで気が付かなかった。英語版を観たのだったら印象が変わったかな。

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Cape God