劇場公開日 2007年7月28日

「ピクサーの王者たる所以」レミーのおいしいレストラン josh lemon lymanさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ピクサーの王者たる所以

2007年8月6日

泣ける

笑える

楽しい

同じ配給元のあのネズミを連想させないよう、主人公のレミーは極力擬人化されず、普段人間から忌み嫌われる対象である鼠として描かれる。パッチリと大きな目はご愛嬌だが、毛色は不衛生を思わせる澱んだ青で、全体的なデザインも“可愛い”というコンセプトからはかけ離れている。映画のマーケティングを考えれば致命的ともいえる決断により、この映画のユニークな方向性が決まった。まずマーケティングありきの映画製作から脱却したブラッド・バード監督の英断により、“自分の人生は自分で選択して決めるもの”というテーマが説得力を増す。
ネズミが料理する、というファミリー受けしそうなシンプルなプロットの上に立ちながら、マーケティングよりも作品の質を重視する。ピクサーの王者たる所以か。

josh lemon lyman