「観客に楽しんでもらおうという心意気…」レミーのおいしいレストラン The Dudeさんの映画レビュー(感想・評価)
観客に楽しんでもらおうという心意気…
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…を、ピクサーがしっかりと持っていることが改めて分かる一品。ピクサー首脳のアイドルである日本の某アニメ巨匠が、「楽しんでもらおう」から「考えさせよう」にシフトしているこの現状、頼もしく信頼できるスタジオだ。
物語中、レミーとリングイニの信頼関係は何度か危機を迎える。凡庸な物語だったら、そんな場面で主人公は周囲の声に流されてより悪い方に流れていくところだが、この物語では「信頼」がこちらの想像を超えて強く、安易に墜ちてはいかない。人を信じ、夢を信じ、己を信じる。そんな心の強さが感動的だ。
惜しむらくは、クライマックスの危機をレミー、リングイニ、コレットの当事者3人で乗り切れぬこと。カラフルな他の人間が役に立たず、まさかアレが料理するとは…どんだけ消毒してもアレは引く。難敵である評論家の吐く台詞も映画評論家を意識してるのでは…というのは考えすぎ?
キャラ造形は素晴らしい。特に気に入ったのがスキナー(米国名風?)。救いのないチビ小悪党だが、顔も体型も素晴らしい造形でなんだか憎めない。彼とレミーによるチビスケ同士のチェイスはスピード感、爽快感ともに最高級のアクション・シークエンスでした。
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