傷だらけの男たちのレビュー・感想・評価
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犯罪作品としては物足りないが、醸し出す雰囲気がいい
総合70点 ( ストーリー:65点|キャスト:75点|演出:70点|ビジュアル:75点|音楽:70点 )
撮影は風景と背景の取り入れ方や美的な感性の良さがある。映像と音楽とで雰囲気を作り出すのが上手い。そのような雰囲気の中で傷を引きずって生きる金城武は良かったと思う。
反面、いくつか起きた重要な何かの出来事がはっきりと劇中に描かれないため、物語の展開に深みが出ない。恋人のこと、殺人事件のこと、寺の死体、知り合ったきっかけ、昔の事件、生い立ち、それらが語られるだけだったり間接的に描かれるだけだったりでは物足りない。最後の病室での場面ですらそうだった。雰囲気は良く出ていても、それを支える描写や展開が浅いために受けとる印象も浅くなる。それは犯罪計画に関しても同様で、どうやって情報収集し計画し実行したのかについて明確さがないため、犯罪作品としても中途半端。
リメイク決定とあるが
「悪役」トニー・レオン
あの名作『インファナル・アフェア』のスタッフが再結集して制作した作品。この作品も『インファナル・アフェア』と同様、レオナルド・ディカプリオの出演によるリメイクが決定されている。香港って、不思議ですね。人口800万程度しか居らず、領域も狭いのに、何故にこんなに名作が生まれるのでしょうか?
物語は、2003年に始まる。この年が物語の始まりに選ばれたのは、SARS禍の最中で香港が落ち込んでいたと言うことに加え、レスリー・チャンが自殺し、アニタ・ムイが亡くなってしまったと言う年であるということに意味を求めているらしいです。この映画のタイトルが『傷城』と言うものであるのもそのあたりの意味が込められていて、香港再生を願っている映画でもあるそうです。
トニー・レオンは、やっぱり良いですねぇ。最初は、金城武の役どころを演じる予定でしたが、本人の希望で変更になり、今回の役どころになっています。優しい仮面の下に、冷酷な犯罪者の顔を持つ男を非常に上手く演じています。
それと、金城武。やっぱり彼は、ああ言う陰のある役に向いていますね。広東語のセリフを流暢に操っていましたが、元々台湾で生まれたので、広東語もお手の物?なのでしょうか。
なんか、凄く悲しい物語です。トニー・レオンの最後なんかね特に。途中、日本や見慣れたハリウッド物の映画と、物語進行のテンポの違いを感じてちょっと違和感を覚えましたが、話の内容が面白いので、最終的には話の中に引き込まれていました。
エンディングの楽曲は、浜崎あゆみの『Secret』なのですが、中国語表示では濱崎歩でした。彼女の歌でエンディングと言うのは、ちょっと無理やり感が漂いますが・・・。avexが配給なので、仕方ないのかな。ちなみに香港バージョンでは、デニス・ホーがカバーしています。
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