傷だらけの男たちのレビュー・感想・評価
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お前は“バカのキョン”だろっ!トニー・レオンに罪を擦りつけられるぞ
何を書こうにもネタバレになってしまいそう・・・そんな序盤のストーリー(もしくは映像)。なにしろ、イメージ映像であったとしても妄想であったにしても反則技ギミックを用いない限り、真犯人はトニー・レオンに決まっているからだ。それでも映画を観ているファン心理としては、「違っていて欲しい」「あれは丹波哲郎の亡霊かなにかだ」などと願うばかり。
たしかに、香港ノワールとして鑑賞するのであれば問題ないのかもしれません。推理サスペンスを期待していたならば、明らかに拍子抜けするのです。男たちの過去を徐々に描いていくようなスリリングなモノでもないし、ほとんど予想できてしまう範囲なのです。これでもこの脚本はハリウッドでのリメイクが決まっている。もし、これが真犯人を明かさないような展開ならば・・・と期待しても、オリジナルを知ってる段階でボツ。
サスペンスといえば、「犯人はお前だろ!」と脅迫まがいの電話をかけてきた奴!あれは一体誰だったのか?一緒に放火して殺してしまった奴?よくわからない。そして、金城武の情報屋として活躍していた男もトニー・レオンの仲間だったのか?電話爆破させた男と同一人物だったような・・・この2点の謎が残ってしまう・・・
犯人だと疑われてハラハラするような心理描写。“CONFESSION OF PAIN”という原題が示すように、クライマックスでは、犯人だとわかってしまっても同情してしまう友情(のようなもの)。そして、大きなものを失ってしまうという皮肉な結果。観ているこちら側まで傷だらけになってしまいそうな最期にはなるのですが、それならば中盤にもっと感情移入させるような仕掛けをしてもらいたかった・・・などと考えるのは贅沢なことだろうか。
犯罪作品としては物足りないが、醸し出す雰囲気がいい
総合70点 ( ストーリー:65点|キャスト:75点|演出:70点|ビジュアル:75点|音楽:70点 )
撮影は風景と背景の取り入れ方や美的な感性の良さがある。映像と音楽とで雰囲気を作り出すのが上手い。そのような雰囲気の中で傷を引きずって生きる金城武は良かったと思う。
反面、いくつか起きた重要な何かの出来事がはっきりと劇中に描かれないため、物語の展開に深みが出ない。恋人のこと、殺人事件のこと、寺の死体、知り合ったきっかけ、昔の事件、生い立ち、それらが語られるだけだったり間接的に描かれるだけだったりでは物足りない。最後の病室での場面ですらそうだった。雰囲気は良く出ていても、それを支える描写や展開が浅いために受けとる印象も浅くなる。それは犯罪計画に関しても同様で、どうやって情報収集し計画し実行したのかについて明確さがないため、犯罪作品としても中途半端。
リメイク決定とあるが
個人的にはインファナル・アフェア程、
惹かれはしなかったし、面白くは感じなかった。
多分、両者を比較するとやはり、テーマの
シンプルさと分かりやすさに大きな差がある。
全般的に暗さが漂い、やるせなさを感じる
ストーリー展開には好き嫌いが分かれるかな。
どちらも運命の歯車とその流れに逆らう
その過程が俳優の名演技出引き込まれる
一因だか、この作品は、少し背景や
人物の描き方が足りていない。
その為にえっ?と言う話の流れ有り
全体的にもう一つ感が有りました。
金城武、トニー・レオンともに良い
役者なんですが脇役が足りなかったかな。
「悪役」トニー・レオン
あの名作『インファナル・アフェア』のスタッフが再結集して制作した作品。この作品も『インファナル・アフェア』と同様、レオナルド・ディカプリオの出演によるリメイクが決定されている。香港って、不思議ですね。人口800万程度しか居らず、領域も狭いのに、何故にこんなに名作が生まれるのでしょうか?
物語は、2003年に始まる。この年が物語の始まりに選ばれたのは、SARS禍の最中で香港が落ち込んでいたと言うことに加え、レスリー・チャンが自殺し、アニタ・ムイが亡くなってしまったと言う年であるということに意味を求めているらしいです。この映画のタイトルが『傷城』と言うものであるのもそのあたりの意味が込められていて、香港再生を願っている映画でもあるそうです。
トニー・レオンは、やっぱり良いですねぇ。最初は、金城武の役どころを演じる予定でしたが、本人の希望で変更になり、今回の役どころになっています。優しい仮面の下に、冷酷な犯罪者の顔を持つ男を非常に上手く演じています。
それと、金城武。やっぱり彼は、ああ言う陰のある役に向いていますね。広東語のセリフを流暢に操っていましたが、元々台湾で生まれたので、広東語もお手の物?なのでしょうか。
なんか、凄く悲しい物語です。トニー・レオンの最後なんかね特に。途中、日本や見慣れたハリウッド物の映画と、物語進行のテンポの違いを感じてちょっと違和感を覚えましたが、話の内容が面白いので、最終的には話の中に引き込まれていました。
エンディングの楽曲は、浜崎あゆみの『Secret』なのですが、中国語表示では濱崎歩でした。彼女の歌でエンディングと言うのは、ちょっと無理やり感が漂いますが・・・。avexが配給なので、仕方ないのかな。ちなみに香港バージョンでは、デニス・ホーがカバーしています。
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