「見応え抜群、でも気持ちが整理できないまま」ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団 jellyfishさんの映画レビュー(感想・評価)
見応え抜群、でも気持ちが整理できないまま
不死鳥の騎士団は全体的に見応えがあってとても面白かったけど、最後が、、、
シリウスが死んでしまったショックがまだ整理できないままシーンが変わり、明るい音楽が流れ、ハリー達が次を見据えるように映画が終わっていくことにちょっと着いていけなかった。
大作を映画時間にまとめるのは難しいのでしょうが、相当な重要人物だと信じていた人が割とあっさり消えてしまったことが物凄く悲しい。
無実も証明されていなかったし、ハリーとこれから家族になれるとも話していたのに…まだまだストーリーの要を担っていくと思ってたのに。もう少し時間をかけて悲しんでくれよ、気持ちが収まらないよ…と思った。
死の直前の戦いの最中、いいぞジェームズ!とハリーへ声をかけたシーンは最高だった。その一言でシリウスとジェームズの友情も、ハリーへの愛情も伝わるし、最期にシリウスがジェームズの存在を感じられたことも感動的だった。
また、ダンブルドアがものごっつい魔法を操って戦うシーンも凄く見応えがあって良かった。
キャラクターでは、今回でネビルの魅力にはっと気付かされた。思えば初めから友達を律するために3人に対したった1人で向かい合ったり、不遇な思いをしても怒りをぶつけたり捻くれたりせず穏やかさを保つことができるカッコいい人物だった。ダンス(前回)も魔法も直向きに努力して、危険に瀕した友の手を引いて、恐ろしくて堪らないであろう親の仇の前で声を上げられる強さがあって、魅力しかないのにここまで気づけなかったのが悔しい。ハリーポッターの中で誰より誠実な人と言えばネビルだと思った。
今まで真面目に見ることがなかったハリーポッターをちゃんと知りたいという思いで見始めたので、話に置いていかれるのが嫌で思い出せない人物や新しいキャラクターの経歴など分からないことはその都度調べながら見ていた。
VODだからできることで、公開時期に映画館で見ていたら、しかも前作を見てから日が空いていたら前半は結構理解しづらかったかも。
ファッジさんとか、今回が初登場だと思ってしまったと思う。フィッグさんやトンクス達も、一体誰だったんだろう?で過ぎてしまったと思う。パッドフット等の呼び名も理解するタイミングを逃していたら、何の会話をしているかよく分からなかったかもしれない。(英語圏の人ならニュアンスで察せそうだけど)
大筋の理解にあまり重要な部分じゃないから削られているとしても、こういう部分が気になる人はもやもやしそう。
賢者の石はみんなが楽しめる分かりやすいストーリーだったが、だんだん説明の省略が多くなり、原作ファンに向けた映画に寄ってきているような感じもする。
よりはまっていくファンの人、振り落とされてしまう人に分かれたら評価に差が出そうだなと思った。