「おもちゃとは何か、ということを真摯に考えている映画。」トイ・ストーリー2 たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
おもちゃとは何か、ということを真摯に考えている映画。
ピクサーを代表するアニメ、『トイ・ストーリー』シリーズの第2作。
何者かに連れ去られたウッディを救うため、お馴染みのキャラクター達が冒険を繰り広げる。
監督/原案は前作から引き続きジョン・ラセター。
ウッディの声も、前作同様トム・ハンクス。
第57回 ゴールデングローブ賞において、作品賞(ミュージカル・コメディ部門)を受賞。
第28回 アニー賞において、長編アニメ映画賞を受賞。
第5回 放送映画批評家協会賞において、最優秀アニメーション作品賞を受賞。
『トイ・ストーリー4』を観た結果、もう一度『1』から見返したくなったので、今回鑑賞してみました。
トイ・ストーリーはやはり日本語版での鑑賞一択です。唐沢ウッディ&所バズ最高!
本作はおもちゃの存在意義を問い詰めること、ひいては人生の生き方を問い詰めることがテーマとなっています。
どれだけ高価なものであろうと、結局おもちゃとは子供のためのものであるということを説いています。
博物館で永遠の命を得るか、いつかはゴミとして捨てられることを覚悟の上でアンディの下へ帰るのか、というウッディへの問いはそのまま観客への問いにもなっています。
退屈だが平穏な生活をとるか、破滅するリスクを背負いながらも思うままに生きるのかという問いかけです。
この答えは各人違うとは思いますが、この映画ではウッディは所有者であるアンディと仲間たちを信じ、後者を選択します。
博物館行きにこだわる本作のヴィラン、プロスペクターの言い分も十分わかるというのが、今作で投げかけられている問いがいかに難しいものかということを表しているとおもいます。
難しいテーマの問いかけですが、この先どんなに困難な状況が待っていようと、友達がいれば乗り越えられるというポジティブなメッセージで物語が締めくくられるので、やはり観客としては気持ちの良い余韻に浸ることができます。
あと、1から連続して視聴して気付いたことはやはり映像の進化が凄い。人間、犬、車など前作とは比べものにならないくらい進化しています。
20年前の作品になりますが、今見ても何ら違和感がないと思います。『1』では、おそらく技術的に違和感があるため出てこなかったであろう大人の男や老人も描写できるようになっています。
あと良かったのはジェシーの回想シーン。
短い場面ながら彼女の悲しい過去と今の心情が伝わってきてめちゃくちゃ泣けます。
彼女の心情を歌った「When She Loved Me」は本当に名曲!
欠点らしい欠点が思いつかない傑作です!