劇場公開日 2000年3月11日

トイ・ストーリー2 : 映画評論・批評

2000年2月29日更新

2000年3月11日より日劇プラザほか全国東宝洋画系にてロードショー

世界最新の技術で人間味溢れる物語を堪能!

95年に世界初のフル3DCG長編映画「トイ・ストーリー」を発表して、世界をアッと言わせたピクサー社が、堂々たる続編「トイ・ストーリー2」を公開した。前作は世界の先端を突っ走るCG技術と、緻密なストーリー展開で話題を呼んだが、今回はそのどちらもがよりスケールアップしている。前回は、人間と犬の描写 に技術的弱点を露呈していたが、毛皮、肌、衣服といったものの質感描写 を大幅に向上させ、温かみのある表現に成功している。また、キャラクターたちの表情描写 も格段に緻密になり、感情豊かな表現を可能にした。こういった技術に支えられ、観客の誰もが涙し、ハラハラさせられ、そして少しほろ苦い後味を感じる物語が生まれた。その上オマケとして、日本人にはニヤリとさせられる設定も盛り込まれている。今回のストーリーの中心となる、カウボーイ人形のウッディは、日本のオモチャ博物館に売られそうになるのだが、この博物館というのがモロに北原照久氏のブリキのオモチャ博物館もモデルにしたものなのだ。実は、監督のジョン・ラセターは、1987年に来日した時にこの博物館を訪ねており、ここでの体験がヒントになり「トイ・ストーリー」のアイデアが生まれたのである。

大口孝之

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