007 ダイ・アナザー・デイ : 映画評論・批評
2003年3月1日更新
2003年3月8日より丸の内ルーブルほかにてロードショー
剛速球の演出でアクションてんこ盛りのシリーズ記念作
どうも世間で過小評価されてるようだが、ピアース・ブロスナンがボンド役を演じるようになってからの007シリーズは、アクション映画としても水準以上で面白い。
最新作はシリーズ40周年の第20作ということで、一段とリキが入っており、北朝鮮にスポットを当てたため、偶然、ホットな話題になったけれど、例によってリアリティはない。
その北朝鮮にボンドは潜入するが、将軍の息子の暗殺任務に失敗。投獄され、拷問に耐えたのに、人質交換という不様な形で生還。さらに、裏切り者の烙印を押され、上司のMからも見捨てられ……と、最初の設定からして新機軸。一匹狼となったボンドは、身の潔白をはらそうと、キューバからロンドン、アイスランドへと敵を追ってゆく。
この間、アクションはてんこ盛り。極寒の地でクライマックスかと思いきや、さらにスペクタル・アクションが待っているという、リー・タマホリ監督の演出も剛速球。記念作らしく、過去の秘密兵器をチラリと出すファン・サービスもにくいが、有名なシーンの再現で登場するジンクス(ハル・ベリー)のキャラが説明不足かと思ったら、彼女が主役の映画が作られるとか。ちょっと減点。
(高橋良平)