「治癒と医学を司る霊鳥か」グリーンマイル rinrinさんの映画レビュー(感想・評価)
治癒と医学を司る霊鳥か
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ジョン・コーフィーのモチーフはカラドリオスかなと思います。
病人や死に瀕した者の治癒を行う神鳥。
面白いのは真っ白なはずのカラドリオスの能力と特徴を黒人の大男が持っている、と、キリスト教圏のカラドリオスのイメージをひっくり返しているところです。
そしてコーフィーはカラドリオスと違い、死の運命から逃れられない者をさっさと見限って飛び去っていく事はできず、ずっと泣いていました。そして復讐もしてしまいました。
彼は紛れもなく人間なんですね。
劇中、ポールはコーフィーは神の使いではないかと感じます。
伝承のカラドリオスだって神の奇跡だキリストの化身だ言われても、元はキリスト教圏外の、チドリ科の鳥が神格化された架空動物。
コーフィーもまた、(神の意志など関係なしに)ただこの世に人として生まれた生命に過ぎなかったのかもしれません。
ポールの長寿は呪いでも罰でもなく、コーフィーの善意なんだろうなと思います。
それが不老不死に憧れてもいない普通の人間であるポールには残酷だったというだけ。
哀しいヒューマンドラマです。
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