スクリーム3 : 映画評論・批評
2000年3月29日更新
2000年4月1日より丸の内ルーブルほか全国松竹・東急系にてロードショー
人気ホラー完結編“三部作のルール”とは?
こんなに笑っていいのかしらん。このシリーズってホラーだったのに。
というわけで、「スクリーム」シリーズの完結編は笑いの渦。それは事実と映画が重なるときに起き、はたまた映画のなかの映画「スタブ3」と映画「スクリーム3」が重なる場合、そしてロジャー・コーマンやサイレント・ボブことケビン・スミス等、小技の効いたカメオ出演者の登場シーンでも湧き出てくる。二重三重に仕掛けられたワナが、今度は恐怖のためだけではなく、笑いのためにも効力を発揮するのだ。
それによって恐怖感が薄まった感は否めない。だが、この笑いはそれを不満に思わせないほど魅力的だ。シリーズを続けて見ている者にはそれが増幅され、映画ファンはそれ以上。親切なことにはじめての人だって十分笑えてしまうとくる。最近ダレ気味のケビン・ウィリアムソンからバトンタッチされた新進脚本家、アーレン・クルーガーの功績だ。
ちなみに、前作で殺されてしまったホラーおたくのランディも、意外なかたちで嬉しい再登場を飾っている。つまり、ファンのツボを突いているわけだ。このシリーズが愛された理由はこんなところにもある。
(渡辺麻紀)