劇場公開日 2000年6月24日

「真実を描ききれていない部分もあるが、冤罪に苦悩する主人公の映画として面白い」ザ・ハリケーン Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0真実を描ききれていない部分もあるが、冤罪に苦悩する主人公の映画として面白い

2013年3月8日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

難しい

総合:80点
ストーリー: 80
キャスト: 75
演出: 80
ビジュアル: 70
音楽: 65

 無実なのに長期間にわたり服役した実在の黒人チャンピオンボクサーである「ハリケーン」ことルービン・カーターの話。デンゼル・ワシントンが冤罪に苦悩する主人公を演じる。

 長期にわたり刑務所暮らしを強制され、ボクサーとして輝かしい未来を奪われたワシントン。無罪であるがゆえに立ち向かおうとするが現実に押しつぶされそうになる精神状態や、彼を救おうとする動きに光明を見出す部分などはいい。
 その反面、彼が刑務所に入っている間に彼の妻がどうして支えなかったのかといったことや、彼を冤罪にしようとした勢力は何なのかといった部分がおざなりになっているように感じるし、その部分では不満も感じる。そのあたりは映画で明らかにするには、情報が不足していたり時間がなくて描き切れなかったり物語の都合上わざと描かれなかったりしているのかもしれない。

 少しだけネットで事件のことについて調べてみたが、現実にはカナダのグループだけでなく弁護士が大きな貢献をしていたり、冤罪事件は一人の刑事だけが大きな動きをしたのではないといった意見もあった。これは映画であるので、そのあたりの真実は何かということを描ききることは本来の目的ではないだろう。それを別にして、冤罪に苦悩する栄光のボクサーと彼を助ける支持者とを描く実際にあった話を基にしたひとつの映画として、この作品は悪くない。

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Cape God