パッチギ! LOVE&PEACEのレビュー・感想・評価
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安っぽいメロドラマに
前作が名作なだけに、どうして?な安っぽさ。
俳優陣も名のあるラインナップになったのに勢いがまるでない。
病気の子供、芸能界の苦悩などがいまいち在日の苦しみと結びついていない。
はさまれる回想シーンもドラマがなく、ただただ悲惨さを説明するだけ。「ゴッドファーザー」を意識したのかもしれないが、やるならドラマティックにしないと。添え物にしか見えない。
なんか政治臭しかしない作品。
レビュー2件の謎
15年ぶりにまた見た。
朝鮮や在日と日本人の歴史を考えると本当に重々しいが、これでもかなり、やんわりしたオブラートに包まれた作品だ。
目をつぶり蓋をしないで誰かが描く必要があるテーマ。既に風化しつつある。
なんでこの映画レビュー2件なの!?
なんか怖すぎるよ。
中村ゆり演じる主人公が、私は逃げてでも、ぼろぼろになっても帰ってきてほしい。普遍的な人の気持ち、戦争に対するメッセージだ。涙が溢れた。
最後のエンディングソング
「あの時に同じ花を見て美しいと言った2人の」のフレーズがテーマにマッチしている、花を美しいと思う気持ち、家族を大事に愛する気持ちに人種の違いなんてない。
黒人がアメリカ大統領にもなった。
差別をはじめ、あらゆる矛盾を克服してゆくべき時代にきている。
アル・パチーノは朝鮮人だった!!
前作から6年経ったという設定。舞台も京都から東京へと移し、アンソン(井坂俊哉)と彼の一家が一人息子チャンスの病気を治してやろうと奮闘する家族の物語と、彼の妹キョンジャ(中村ゆり)が甥の治療費を稼ぐ目的と狭いところから飛び出したい願望によって芸能界デビューする物語。ひょんなことから仲良くなる元国鉄マン佐藤(藤井隆)はキョンジャに一目惚れ。コメディアンぶりを発揮しながらも、彼の生い立ちや家族の絆も見逃せないところ。
“愛と平和”などという井筒スタイルにはふさわしくないようなサブタイトルをつけられたために、心配してはいたのですが、それは杞憂に終わりました。キレイ事だけで平和を訴えるようななよなよとしたタイプではなく、暴力あり、残酷シーンあり、裏の闇取引あり、と汚いところも堂々と見せてこそ生命力のたくましさを訴えてくる。もちろん、芸能界の汚さや、在日に対する差別と偏見、決して楽には生きていけない中でも日本に溶け込もうとした屈託のない姿には清々しさを覚えるのです。それを代弁するかのように、佐藤が家族の中に受け入れられていく設定は絶妙でした。
1974~5年の日本。「仮面ライダーアマゾンが好きだ」と言うと、真の仮面ライダーファンに怒られたりしたものです。映画でも懐かしい言葉『がきデカ』の「死刑!」や中条きよしの「うそ」のフレーズが聞けるし、ブルース・リーの『ドラゴンへの道』の立て看板やゲイラカイトも登場する。この異常なまでの回顧主義的な小物や美術は明らかに『ALWAYS3丁目の夕日』に対抗意識があると思われるし、「東京にいるのに東京タワーを見たことがない」というのも朝鮮人への差別政策を表すとともに同映画への挑戦ともとれてしまう。さすが井筒監督だ・・・こんな映画は万人に受け入れられないほうがいいよ。
俳優は、前作とは全く違うという大胆なキャスティングによって混乱するかもしれません。キョンジャは沢尻エリカのほうが良かったのにという評も聞かれることと思いますが、井坂俊哉と藤井隆はとてもよかった。石原慎太郎をイメージしたラサール石井も憎たらしさが上手く演じられ、西島秀俊もいつもと同じ演技だったので安心できました。思わずスウィングガールズが登場するのではないかと錯覚させる菅原大吉もよかった。
映画では1944年のシーンが幾度となく挿入されるのですが、途中まではこの意図がわからず呆然と観てしまいました。ところがクライマックスになると、難解パズルが一気に解けたかのように、キョンジャを中心に繋がっていく。終わってみると、見事なまでに『俺は、君のためにこそ死にに行く』に対抗意識を燃やした作品だったわかります。「愛する君を守るために特攻してくる」なんてバカげてる。どんなにボロボロになって生き恥をさらすことになっても、生きて帰ってくることがどれほど大切なことなのかと思い知らされるのです。前作からの在日朝鮮人の日本人との隔たりや苦悩も受け継がれてはいましたけど、もっと大きなテーマである“戦争と命の尊さ”を国境を越えたスケールで描いたことも評価できると思います。
イムジン河が足りない
『パッチギ!』に何を求めるかと言えば、それは人によって違うでしょう。しかしオレは前作の『イムジン河』の場面があまりに素晴らしかったので、その歌が感動的な場面で掛かるに違いないと非常に期待したわけですが、別に演奏も生歌もなくてちょっと寂しかったです。真木ようこのドロップキックもなくて、沢尻エリカの純情な感じもなく、日本人としてつらい反日的な表現が目いっぱいあった。
変わりにゴアなド迫力の戦争場面があったのはよかった。
評判が悪かったので恐る恐る見たらけっこう面白かった。井筒監督は在日朝鮮人なのかと思っていたらそうではないそうで、だとしたら純粋に弱者の味方をしたくてこういった映画を作っているのだろう。
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