劇場公開日 2007年5月19日

パッチギ! LOVE&PEACE : 映画評論・批評

2007年5月8日更新

2007年5月19日よりシネカノン有楽町ほかにてロードショー

多くを盛り込み過ぎだが、反骨精神は相変わらず

本音を言えば、続編は作って欲しくなかった。ド突き合いで育む日朝交流が新鮮だった1作目を超えるのは難しい。加えて、“2作目のジンクス”は、「のど自慢」の続編「ビック・ショー! ハワイに唄えば」(99)で経験済みではないか。

とはいいつつ、韓流とお涙頂戴映画に群がる生ぬるい日本人に、まだまだパッチギをかますで!という反骨精神旺盛な監督は今や貴重な存在。描きたい事があり過ぎて、いささかエピソードを盛り込み過ぎだが、それでも今回、果敢にも芸能界最大のタブーにまで斬り込んだ、その勇気を讃えたい。

舞台を60年代の京都から70年代の東京に移し、アンソン兄妹のその後を描いた本作品。妹キョンジャ(中村ゆり)が難病を抱えた甥の治療費を稼ぐため、己の人生を切り開くために飛び込んだのが芸能界。出自を隠してスターの階段を一歩ずつ上がろうとするも、必ず在日の壁が立ちはだかる。戦争映画のヒロインにキョンジャがキャスティングされた事が火種となるのだが、実際に数年前話題になった戦争ドラマでの女優降板劇は在日問題が要因とも言われている。

この映画で起こっていることは、未だ何ら変わらず芸能界に、いや、私たちの身近にはびこっている差別。改めて、この問題の根深さを突きつけられた思いがした。

(中山治美)

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