「一生ものの壮絶なファンタジー」ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還 pullusさんの映画レビュー(感想・評価)
一生ものの壮絶なファンタジー
『ロード・オブ・ザ・リング』の物語の中で、最も壮絶で迫力のある第3章。まさにファンタジーの金字塔と言うに相応しい作品である。長かった旅の終わり、観客と旅の仲間が一丸となってクライマックスを迎える。
第2章でオークが城に攻め入るシーンがあったが、今回はその数倍もの迫力でもって繰り広げられる攻防が見所である。敵はウルク=ハイ。人が蟻のように思えるほど巨大なマンモスを何頭も引き連れてやってくる。敵数も第2章とは比べ物にならないくらい多い。
その世界観に圧倒され、飲み込まれることは間違いない。
『ロード・オブ・ザ・リング』で人気を博したレゴラス(オーランド・ブルーム)の戦闘シーンはまさにファンならずとも興奮するだろう。第2章に引き続き、レゴラスとギムリはまたも殺した人数を競い合っているから面白い。
『ロード・オブ・ザ・リング』には様々な人種が存在するが、それらが憎しみあいながら、そして分かち合いながらストーリーがクライマックスに向かってひとつに終結していく。そして最後には想像を超える大きな感動が待っている。
ラスト、涙がこみ上げてきたシーンがある。
それはアラゴルンの即位式である。そこで王になたアラゴルンにホビット達が頭を下げるのだが、アラゴルンはホビット達に頭をあげることを命ずる。そして、今度はアラゴルンが小さなホビット達に深々と頭を下げるのだ。周りの人々も深く頭を下げていく。種族の中で一番小さなホビット達が、その勇気を認められ、全種族から尊敬される。種族の中で最も平和を愛していた種族が、友情と勇気で世界を救う。まさにファンタジー史上最も感動的なラストシーンと言えるだろう。
エクステンデッド・エディション版は1章4時間。合計12時間にも及ぶ物語だが、見るものの人生観をも変えてしまう壮大な映画だ。