「「奇跡」と「葛藤」」ジャンヌ・ダルク ノリック007さんの映画レビュー(感想・評価)
「奇跡」と「葛藤」
日本では、1333年に鎌倉幕府が滅び、1336年から始まった室町幕府の時代の話で、南北朝時代の少し後になります。
日本でも、南北朝時代に南朝と北朝に分かれて、戦っていましたが、外国が参加することはありませんでした。
フランスは、アルマニャック派とブルゴーニュ派に分かれて、戦っていて、ブルゴーニュ派にイギリスが参加していました。
同じ国民、民族が分かれて戦うことは不幸でしかなく、外国のイギリスが参加することでより一層不幸が深まりました。
史実かどうかではなく、戦争とは悲惨なものであることは確かです。
文字も読めるし、書くこともでき、学ぶことができる人は、「奇跡」を起こしたジャンヌ・ダルク以上の人になれます。
シャルル7世は、「奇跡」を起こしたジャンヌ・ダルクを見殺しにしました。
例え、ジャンヌ・ダルクを聖人にしても、誰一人としてジャンヌ・ダルクのようにならないでしょう。
「奇跡」
ジャンヌ・ダルクが起こしたことは、「奇跡」です。
オルレアンは、ロワール川の北岸にあり、イギリス軍に囲まれています。
トゥーレル要塞は、オルレアンのロワール川の南岸にありますが、イギリス軍が占拠しています。
フランス軍は、トゥーレル要塞とオルレアンとをつなぐ橋をイギリス軍の侵攻を防ぐために、破壊しました。
オルレアンに残った人々に逃げ場はないということです。
イギリス軍は、トゥーレル要塞からオルレアンへつなげる橋を再建し、オルレアンを南側から攻撃しようとしています。
イギリス軍は、ロワール川の北岸にあり、オルレアンの東に約2kmにあるサン・ルー砦に兵を集結し、オルレアンを北側から攻撃しようとしています。
フランス軍は、サン・ルー砦を奪還し、ロワール川を渡り、ロワール川の南岸にあるトゥーレル要塞を攻撃し、勝利します。
フランス軍は、ランスをイギリス軍から奪還しました。
シャルル7世は、ランスで戴冠し、フランス国王となりました。
「葛藤」
シャルル7世は、フランス国王となった後も、戦いを続けるべきか?
ジャンヌ・ダルクは、戦いを続けるべきか?
兵士は、戦いを続けるべきか?
市民は、戦いを支持するべきか?
「したいこと」と「するべきこと」のずれが、葛藤を生み、罪の意識を生み、許されたいと感じるようになります。
戦いに勝った人が、戦いを止めて、優位に交渉するということはできるようで、できません。
ビギナーズラックでギャンブルで儲けた人が、ギャンブルを止めて、利益を得ることができないことに似ています。
敵を皆殺しにするのは現実的ではなく、戦いで戦争に勝利することはありません。
無条件降伏などの優位な和平交渉でのみ、戦争に勝利することができるということです。
太平洋戦争も、日本にポツダム宣言を受諾させたから、勝利できたということです。
ジャンヌ・ダルクは、教育を受けられず、文字も読めず、文章を書くこともできず、本も読めず、教養もなく、「神のお告げ」しかありませんでした。
ジャンヌ・ダルクは、教養がないから、神のみを信じることしかなかったのです。
ジャンヌ・ダルクが、教育を受け、文字を読むことができ、文章を書きことができ、歴史を学ぶことができたら、違った人生になっていたでしょう。
偉人たちの本や映画を通して、歴史を学ぶ価値があるということです。