「限定された時間空間での満足した生涯」海の上のピアニスト てつさんの映画レビュー(感想・評価)
限定された時間空間での満足した生涯
クリックして本文を読む
孤児を偶然拾った男性が育てるという話はありがちであるが、船内で育ち、無戸籍のまま一生を過ごし、才能は如何なく披露し、名人の鼻っ柱をへし折る痛快な勝負も乗り切っていくが、恋に迷い、破廉恥な行動にも踏み出し、陸に上がって常人の仲間入りをするかと思ったら、踵を返してそれまで通りの船内に限られたままの人生を全うし、命が奪われることを心配した親友の勧告も聴き入れることはなかった。本人はきわめて満足した生涯ということだったのだろう。冒頭のアメリカを発見することと女性との巡り会いの話が、だんだんと回収されていく。
コメントする