善き人のためのソナタ
劇場公開日 2007年2月10日
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「美のない人生なんて味気ないわ」最近みた『ローズメイカー』のセリフがリフレインするような映画だった。国家秩序を守るため、と仕事に励む主人公の気持ちもどこか分かるような気がするし、現代日本で育った僕にはどうやっても馴染めないような気もするし。だんだんと人間らしい感情を取り戻していくような、ふと美しいものに触れて、生きていることを思い出すような。ストーリーラインとして特別なものはないかもしれないけどそのぶん力強さを感じるような作品だったと思う。
これも夜中に一人でゆっくりみると泣けちゃう。
東ドイツの秘密警察の中佐はとてもおぞましい存在でした。下部の人間は疲弊し、貶められます。共産圏に限らず、日本の政府、自治体も含めて、例外は有りません。肝に銘じるべきです。組織の責任者は常に腐れるもので、あることを。ドイツの壁は崩壊しましたが、世界中の組織の責任者は腐敗を続けます。コロナ禍で、さらに加速することを目の当たりにするでしょう。
東ドイツはかつての国だが、今のある強い国とそっくりだ。かつてすでに発生したことが、今、この国で発生している。映画そのものは圧巻だ。だが、本当の歴史とすこし違う。東ドイツ時代、反体制派を協力した情報員は、一人もいなっかた。まさか、人間が歴史から学んだことは、歴史から何も学べないことだ。
知的
シュタージ、血も涙もない連中なのにソナタによって主人公の心の変遷が丁寧に描かれている。ドイツ映画って凄い。アメリカ人にはこんなの到底創れないよ。抑圧は、自由と美への渇望なんだなとしみじみと思い知らされる映画。東欧社会主義崩壊の原因をこの映画で体現している気がした。オスタルギーに浸りたい人にもおすすめの一作。
東独のシュタージュ職員を主役に、監視社会の裏面を描く秀作。後半、主人公が人間性に目覚めていくプロセスが良い。緊張感が続く3h。
泣ける
少しドイツに興味を持つことがちょくちょくあったが、この映画を見て確定的に。主演の人がハマり役すぎて驚いた。本当に東ドイツにいて、奥さんに盗聴されていた過去があったようで?それの過去を一切感じさせない冷酷な眼差しが素晴らしい。
悲しい
興奮
抑圧された環境が当たり前で生きて来た人の目覚め!?壁が崩壊後も主人公の性格は変わってないのは何故?変わっていて欲しかったな〜!
最後のセリフに張り詰めた緊張感が解き放たれて涙が溢れた。善、悪と割り切れない人間の葛藤や弱さ、脆さとともに素晴らしさ、みたいなものも描かれていて。ともかく主人公の顔がいい!全体的に淡々としてるので、眠くなるというのもわかるけども。
鉛筆が恋しくなる映画。2023.4.30追記U-NEXTで鑑賞ラスト、グルビッツ中佐と乗り合わせたクルマ、ドライマンに行った時のクルマと違うことに気づいた。同じ時間帯での話だったと思ったのだが。ラストはいつ見てもグッとくる。
ドイツが東西に分かれている頃のことを全くといって良いほど知らなかったので勉強になった。それだけでなく映画としても心に残った。
ゲオルクの吹き替え版が萩原流行さんだったとは!
幸せ
静かで一見地味そうな映画ですが、すごく味のある映画。主人公の俳優さん、なんてはまり役なんでしょう…!ラストシーンとかぐっときます。
最後のdas ist für mich痺れた
難しい
数々の戦争、反戦、等の映画を観てきましたが、何回見ても何度となく涙してしまう作品、静かなストーリー展開の中に張り詰めた緊張感、戦場のピアニストに似た空気感かも。俳優達の洗練された演技も本当に素晴らしい作品でした。
自分が実存している世界史の一遍は常に衝撃的。多くの事を考えさせてくれます。一番感動したのは、主人公が人である道を選び、最後までぶれなかったこと。そして、歴史は善き人を裏切らなかった。1つの時代が終わり、世の中が様変わりしていく中、ひっそりと慎ましく暮らしていた一人の初老が偶然見かけた本屋のディスプレイ。彼のラストシーンの微笑みに胸が詰まりました。もう一人の善き人は自分のもてるもの(芸術)で彼の心に報いることができたのです。まぎれもなく心と心のこだまを今作で見せてもらいました。静かな感動をありがとう。(4.7点)
怖い
1989年にベルリンの壁が崩壊してから、4半世紀が経とうとしている今、改めて東ドイツのことを想います。国という枠組みがどのような意味を持つのか、その大きさと怖さを感じます。あまり露骨にならないような抑え目な演出で、東ドイツのある個人の内面の揺れを描いているこの映画。落ち着いてみることができました。いろいろと言うつもりもなく、なんだか、これで良いと言いたくなる映画でした。
ドイツ映画って、画が暗めだなと思うことが多い。それぞれの思惑が複雑に絡み合う描写に緊張が走る。信じることは大切なこと。そして、ひとを信じたいという気持ちになった
物語は静かにそして淡々と進行していくのに、張りつめた緊張は最後まで途切れる事がない。近年でここまで、素晴らしい脚本、監督、キャストの映画はまず見た事はないです。今まで1000本以上の映画を見てきてたがこの作品に出会えた事に感謝しました。映画とはこうあるべきと教えてくれた珠玉の一本。
静かに、静かにお話は進んでいく。長くも感じたけれど、話の進み方も、人物も、キャストも、大げさなところがなくて、さりげなくて、よかった。ラストもいい。静かな余韻が残る感じ。お部屋の感じや公園のシーンなど、映像もすごく素敵。
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