トゥモロー・ワールドのレビュー・感想・評価
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説明がないのがいいんだよ
2006年アルフォンソ・キュアロン監督。
人類に子供が生まれなくなった近未来。世界は崩壊し、かろうじて機能している英国が舞台の重苦しいディストピアSF。巻き込まれていく主人公だが、希望を見出してゆく最後の展開がふるえる。
長廻しシーンの凄さは改めて言うまでもない。混乱したその現場に居合わせた如き臨場感。終盤の長廻しは激しさの中で泣けてくるという奇跡的なシーン。
そしてラスト。薄ぼんやりした中でみえてくる灯かりがこの映画のテーマと重なる。
キュアロン作品の中で一番好き。SF映画としても珠玉の1本と言えましょう。
唯一の希望を失えば、人類に明日はない
2019年7月21日
トゥモロー・ワールド 鑑賞
原題は、Children of men
コピーは、唯一の希望を失えば、人類に明日はない
子どもが産まれなくなった近未来のお話で、シリアスな逃避行なのですが、戦闘シーンが普通の戦争映画よりもずっと迫力があった。さすが、アルフォンソ・キュアロン
#アルフォンソ・キュアロン#クライヴ・オーウェン#ジュリアン・ムーア
あのシーンは良かった
他の人のレビューを見て、何でこんなに評価高いのかよく分からない
敵味方関係なく一瞬だけ休戦するシーンは良かった
1番の見せ所やと思う
でもなぁ
最後も希望なのか絶望なのか見た人の想像によって変わるその後
これ系の映画はそこらへんもしっかり描く方がいいと思う
SFなんで仕方ないけど
そこにたどり着くまでもツッコミどころあるし
あのシーンだけで星3かな
P・D・ジェイムズが書いたSF
原作未読。
そもそもジェイムズがディストピアSF書いたのに「えっ?!」てなってたのに、映画化されてその上この野心的な(長回し教徒ウハウハ)映像。たとえ実際には長回しでなくとも好きだ。
FPSゲームみたいだと思ったら、宗教画のような荘厳な画作りされてたりと、色々な意図をくみ取れるような気がした。
空前絶後の長回しに唖然とする傑作
世界中で子供が生まれて来なくなった近未来。世界最年少の少年が亡くなり悲しみに暮れるロンドンで公務員の主人公が元妻の依頼である移民の少女を指定場所まで連れて行くことを請け負うが、実は彼女は衝撃的な秘密を持っていた。
テクノロジーと膨大かつ緻密な段取りで近未来の阿鼻叫喚をこれでもかと見せつけられて呆然となること請け合い。随所で繰り広げられる空前絶後の長回し映像に一体どうやって撮影してるの!?と気になる方はメイキングで溜飲を下げましょう。
クリストファー・ノーランに撮ってもらいたい
個人評価:3.6
ローマの監督という事で、13年見ていなかった本作を見ました。
数多ある世紀末系の作品と変わりない映画と感じます。
主要人物の言動に心理的な辻褄があわず、リアリティは皆無で、絵空事の演技にしか感じず、ローマを撮った監督とは思えないずさんな心理描写である。
子孫が残せなくなった生物という設定は興味深いが、リアリアリティのある脚本ではない為、勿体ない。
またジュリアン・ムーアと、マイケル・ケインの勿体ない使い方も秀逸である。
設定以外で感じる点はなく、同じ世界観でクリストファー・ノーランに作って頂きたい。
穴場的傑作?
だと思った。
設定とかイベントとか、なにが起きているのかわからないところも多々あるんだけど、そんなことどうでもよくなる。
子供がいない退廃的近未来の世界の描写が秀逸(かかる曲はプログレッシブ・ロックだったりするんだけど何故か合う笑)
ジャンルがよくわからなかったため、どう展開されるのか読めなかったのも〇。見終わってみれば、SF風でもありアクション映画でもありサスペンス要素もある。そしてなんと言っても戦争映画としての映像が素晴らしい。いまも中東あたりで起きている民間人を巻き込んでの市街戦とはこういうものかと思わせる臨場感。空爆により霞の向こうで発光し瓦礫になったであろう街のなんと無情なことか...
子供が欲しくなる映画、でもある。
出だしは良かった!!
出だしと車が襲撃されるシーンは良かったです。実際のところはほぼ会話劇ですがキャラクターに魅力を感じず、「ウォーキング・デッド」をダラダラと観続ける感覚に近く、つまらなかったです。FEMA的な描写は良くできていたと思いますが、子供ができないという世界観の説明が冒頭だけで、その後は子供ができない世界だからなという深刻な描写や独自性は特になく、ごく普通の退屈な世紀末映画を観ている感じでした。
消化不良
子供が産まれなくなって18年。そんな中で1人の少女が妊娠した。
その少女の安全の為にヒューマンプロジェクトと言う組織を目指して進むんだけど、仲間だと思っていたグループが実はそうではなく、逃げ出しいろんな人に助けられてようやく船に辿り着く。
緊迫感はあるけれど、その後が無いから結局何が伝えたいのかよく分からない。
その赤ん坊が世界にどんな影響をもたらすのかが全く描かれていない。
感動
子供が産まれなくなって久しい終末の世界。
移民の排除と弾圧、それに反抗するテロ組織とそれらを悪役として利用する政府。
もう、これでもかというくらいのディストピアです。
そんな中、妊娠した黒人女性を国外へ逃がそうとする物語。
まず素晴らしかったのが、命が生まれるという事の尊さと偉大さを荒廃した居住区の中で感動的なまでに描き切ったところだろう。まさかSF作品でこんな感動を味わえるとは思ってもみなかった。
そして、この映画を映画史に名を残す傑作たらしめているであろう「長回し」も素晴らしい。
厳密に言えば「長回しの様に見せた」シーンなのだが、高度なCG技術の多用によりどこが繋ぎ目かなんて全然分かりません。
凄まじい臨場感を演出していた、銃弾が着弾する時の煙やカメラに着いた血糊までCGであり、ビルのシーンも実は1階しかないセットで撮られたものだそうで、、、。
臨場感を演出する為の貪欲なまでの監督の姿勢に頭が下がりますが、今やオスカー請負人とも言われるエマニュエル・ルベツキ撮影監督の功績がここでも大きい様です。
とはいえ、映像だけの映画ではなく登場人物の心理描写や劇中音楽、ストーリーやテーマ性等、様々な観どころがある映画です。名作です。
細かい演出も好きです。脱走するシーンで逃げる前に他の車のキーを抜いておくとか、バッテリーが弱っていて押しがけをしないとダメで、それもなかなかなかからないとか、、、他ではあまり観ない演出で面白かった。「車はマニュアルの方がいざという時助かるな」って事は教訓になった。オートマだったら逃げれてなかったもんね。
世界が破滅していく映画ならやっぱりイギリスが舞台でなければ。期待にしっかり応えてくれます。でも21世紀のSF映画のベストというのは言い過ぎでしょう。
(1度目) 2007年09月27日 (木)
映画館(日本語字幕)
この映画の製作国は、どのサイトを見てもアメリカ・イギリス映画と書いてあるので、たぶん両国スタッフの共同製作なのだろうが、雰囲気はいかにもイギリス映画。舞台は近未来のロンドンだし。
近未来のロンドンといえばSFでは悲惨な世界と相場は決まっている。この荒廃した雰囲気はアメリカ映画では出せないもので、なぜイギリス映画は出せるかというと、やはり現実にそういう社会を経験しているからだろう。1970年代の沈滞時(英国病と言われていた時代)のイメージが強い影響を与えているのではないか。
アメリカも1930年代に大不況を経験しているが、そのころを覚えている人は少ないだろうし、もともとあの国の人々は良い意味でも悪い意味でも単細胞だから、世界観にコクがない。イギリスは歴史が長い国なので、現れてくるものの深みやコクや味わいが違う。
それにもともとイギリス人というのはディストピア小説が好きみたいですね。現代SFの嚆矢となるH.G.ウェルズの「タイムマシン」がすでにそうだし、ウィンダムの「トリフィド時代」は破滅小説の原型ともいえるものだし、「人類皆殺し」とか、バラードの一連の作品とかーいずれも古すぎるけどー超有名どころではオーウェルの「動物農場」「1984」がある。
映画では「時計仕掛けのオレンジ」とか、最近見たのでは「Vフォー・ヴェンデッタ」もそうだし。
この映画「トゥモロー・ワールド」の特色は、荒廃した世界の描き方がいままでとはひと味違って、イスラム系の移民がいっぱい出てくるところ。ロンドンが中近東の街に見えるほどで、それ以外にも多種多様な難民があふれかえっていて、きっとロンドンの未来はこうなるに違いない。そう思わせるリアリティある混沌とした世界を作り出している。
その世界を、うわ~、とんでもないなあと思いながら眺めていると、話はどんどん進んでいって、そのまま終わってしまうのであるが、この手の映画や小説の見方としては、まあこれでいいんだろうと思いますね。
ストーリーは、その世界を案内するためにくっつけられたようなもの。いってみれば観光案内用に後からマラソンコースをつくって、テレビ中継の際に映るようにしたようなもので、あちこちを案内するのが主だから、それはあってもなくてもあまりかまわない。この映画のストーリーも恐ろしく単純です。
それでもなかなかの秀作。
BGMは凝っていて、なんと「クリムゾン・キングの宮殿」がかかりました。びっくりして最初曲名を思い出せなかった。懐かしい(涙)
ディープ・パープルの「ハッシュ」は気がつきませんでした。
(2度目) 2017年02月11日 (土)
ネットで視聴(英語字幕)
原題:Children of Men
邦題:トゥモロー・ワールド
面白いSF映画を紹介しているサイトを探していて、IndieWireという映画関係者の批評サイトらしきものが発表している「21世紀のSF映画ベスト25」という記事を発見。
そのベスト1に挙げられていたのが本作。
どっかで見たことがある映画だなと思ったら、「トゥモロー・ワールド」でした。
そこまでいうほどの映画かなーと思ってもう一度見てみたら、やっぱり前回と同じ評価。「なかなかの秀作」ではありました。
前回わからなかったDeep Purpleの「Hush」は、5分10秒からのシーンで流れていました。
懐かしい!
深く胸を穿つ
少子化どころか女性が子供を妊娠しなくなってしまった近未来。
世界最年少は18歳、とても貴重な存在であるのに、その子が殺害されてしまったというニュースが駆け巡る、絶望的なオープニング。
緩やかに死ぬまでなすすべもなく、命のカウントダウンを皆で数えているような閉塞感。
テロや紛争がはびこり、世界が壊滅にまっしぐらに突き進むなか、英国だけが辛うじて秩序を保っている。
だがそんな英国にも移民が押し寄せ、うかうかしてはいられない。
主人公のクライブ・オーウェン演じるセオがカフェで遭遇する爆弾テロは、リアル過ぎて恐ろしい。
官僚でもあるセオは、反政府組織に属している元妻のジュリアン(ジュリアン・ムーア)にあるものを託される。
それは「妊娠した少女」キー。
大変な奇跡であるにも関わらず、手放しで喜べる状況にはならない。
政府に伝えれば、明るいニュースを振り撒いてもらうことができて、世界は希望に満ちるはず--そんな単純な図式にはならないのも、また人間の愚かさなのだ。
キーを政府との交渉素材にしようと、反政府組織で内部分裂が起きてしまい、セオとキーは逃げざるを得なくなる。
セオとキーを匿い、殺される友人をマイケル・ケインが好演。
彼はクラシックな物をこよなく愛していたが、それも無惨に破壊された。
人間はその無知のせいで、いくつ価値あるものを破壊してきたのだろう。
セオとキーは、存在すらあやふやなヒューマン・プロジェクトという組織をめざして、逃避行を続ける。
はっきりいってセオは、強くもないし特別なスキルがあるわけでもない。
だがキーがその本能で信頼できると断言する誠実さを、クライブ・オーウェンがしっかりと演じきる。
ヨレヨレでヨロヨロ、そんな彼が突き動かされる、生まれなかった命への思い。
ラスト、素晴らしいワンカットの戦闘シーンの喧騒ののち、人類最後の子供がもたらした奇跡が深く深く胸を穿つ。
赤ちゃんというのは、脆弱なのに、なんて強いんだろう。
未来への希望を抱いたままジュリアンの元へ逝ったセオの姿に、深い余韻が残る。
少し前に環境ホルモンって…。
あんだけうるさく言ってたのに、もう言ってる声が聞こえない。
その延長からあんな世界が出来上がったと思えば、ある程度納得出来る。
体制側も反政府組織も人を殺すのに躊躇いがないのがリアル。
長いこと荒んだ社会なら当たり前だろう。
赤ちゃん誕生まで散々血が流れるし、体制側の攻撃に曝された廃墟から赤ちゃんの声が響き、キリストの復活の如く畏れ、救いを求めるような人々に悲しさが込み上げた。
でも、一旦銃声が止んだのにそのあとまた、撃ち合ってしまうのはいたたまれなかった…暴力は必ず恨みを残す、理屈がどうであれ…人には未来と希望が必要。
しかしラストに赤ちゃんを保護する組織は大丈夫なのか?とか解らないままで霧に包まれた海と同じでモヤモヤした。
長回しと寓話的な世界
冒頭のシーンから、長回しの緊張感がすごい!と思ったら、撮影がゼロ・グラビティやバードマンのエマニュエル・ルベツキさんだった。(レヴェナントも観なくては)
戦闘シーンがとても恐かった。デストピアな世界観も、SFだけどありえそうな気がしてきて恐かったし、実際に過去に世界で起こったことがあったり、今も起こっているような光景も描かれていた。
でも映画全体はとても寓話的で、そのバランスが変なんだけど凄く良くて、赤ちゃんの泣き声で戦闘が止むシーンと、そんなことはなかったかのようにまた銃撃が始まるところと・・
現実では赤ちゃんが泣いていたって銃撃は止まないということは、なんて残酷なんだろうと思う。
あと、子どもの声がうるさいからと近所に保育園を建てるのに反対する人たちに観てほしいとエンドロールで思った。
「the last of us」が好きな人は是非
長回しの臨場感が凄すぎる、プライベートライアン以来の衝撃。
世界観やストーリーの無常さがps3の名作
「the last of us」にそっくりだと思っていたら、ゲームの方が影響を受けていたみたい(wikipedia調べ)
全59件中、21~40件目を表示