「説明がないのがいいんだよ」トゥモロー・ワールド 散歩男さんの映画レビュー(感想・評価)
説明がないのがいいんだよ
2006年アルフォンソ・キュアロン監督。
人類に子供が生まれなくなった近未来。世界は崩壊し、かろうじて機能している英国が舞台の重苦しいディストピアSF。巻き込まれていく主人公だが、希望を見出してゆく最後の展開がふるえる。
長廻しシーンの凄さは改めて言うまでもない。混乱したその現場に居合わせた如き臨場感。終盤の長廻しは激しさの中で泣けてくるという奇跡的なシーン。
そしてラスト。薄ぼんやりした中でみえてくる灯かりがこの映画のテーマと重なる。
キュアロン作品の中で一番好き。SF映画としても珠玉の1本と言えましょう。
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