トゥモロー・ワールドのレビュー・感想・評価
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Last Book of the Bible
One of my favorite sci-fi films. Nearly two decades later and the world feels like its unfolding into the film's prophecy. In Cuaron's bleak England he still lets us have fun in this plot that's linearly paced like a video game. Clive Owen and Chiwetel Ejiofor are the perfect face-off sparring pair, and Michael Caine's refuge would be a futuristic dream home. Inappropriately stylish for Hollywood.
今改めて見ても度肝を抜かれるSF映画の金字塔
キュアロン監督が2006年に描いた「21年後の未来」。それは『ブレードランナー』の2019年よりずっと後の世界ではあるものの、冒頭、カフェを出た主人公を包み込むのは、現代の延長線上にあるリアルな未来絵図だ。通りにはジェット噴射で空飛ぶ車どころか、二階建てバスと、そしてアジアの片隅を思わせるトゥクトゥクが走り回っている始末。この混沌とした手触りがこそが、作り手たちが周到にシミュレーションした証なのだ。
重ねて炸裂するのが驚異的な”長回し”。実はどこかで切れ目が入っているらしいのだが、要は「長回しかどうか」ではなく、それがどのような効果をもたらすのか、に尽きる。いずれにしてもこの映像がもたらした衝撃性は誰もが認めるところであり、その意味でキュアロンはすべての目論見に勝ったと言えるだろう。
ともあれ、本作に触れると映画の見方が180度変わる。当時のオスカー受賞しなかったのが不思議なくらいだ。
アイデア 倒れ
【”ノアの箱舟”ディストピアワールドの中多大なる犠牲を払いながら”人類の子供”はトゥモロー・ワールドに向け出航した。今作は、絶望する人類の中に現れた”微かな希望”を描いた近未来SF映画なのである。】
■人類が繁殖能力を失った西暦2027年。
エネルギー省の官僚・セオ・ファロン(クライヴ・オーウェン)は、元妻のジュリアン(ジュリアン・ムーア)率いる地下組織・FISHに拉致される。
彼らの目的は移民が溢れる中、一人の移民女性を逃がすための、政府の検問を通過できる通行証を手に入れる事であった。
迷いながらも協力を決心したセオは、人類存亡の鍵”キー”をめぐる争いに巻き込まれていく。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・作品設定が在り得るかも知れないという”人類が生殖能力を無くす”と言う所から、荒廃した世界観が延々と映される。
夢も希望もない荒涼とした世界・・。
・だが、ある日”キー”と言う黒人女性が妊娠している事が分かり、地下組織・FISHは、彼女が政府に拘束されないように、ゲリラ戦を今まで以上に行って行く。
・そして、FISHのメンバー達の多大なる犠牲の中、キーは無事に女の子を出産する。
ー このシーンでの、赤子を抱いたキーと彼女に寄り添いながら破壊された建物の階段を下るセオ・ファロンに対し、銃を叶えた政府軍兵士たちが尊いモノを見る様に、銃を下げ道を開けるシーンが印象的である。
そこは、直前まで鳴り響いていた銃声は一切ない、荘厳な世界である。-
<そして、セオ・ファロンと赤子を抱いたキーは小舟に乗り海に漕ぎ出す。セオ・ファロンは腹部を撃たれており、血が船底に流れる中彼は絶命するが、そこに”TOMORROW”と船腹に書かれた巨大な船がゆっくりと近づいて来て、シーンは暗転する。
そして、エンドロール流れる中響く、子供達の笑い声・・。
今作は、絶望する人類の中に現れた”微かな希望”を描いた近未来SF映画なのである。>
この話、四年後なんですよ
ヤバイな、でもまだリアルワールドは子供生まれてるから大丈夫ね。
ウィルス?の影響で人類に子供が産まれなくなって18年が経過した世界のお話。
秩序が崩壊しつつある世界の中でも比較的治安が維持できているイギリスに住む主人公のセオは、バツイチで自堕落ライフを満喫しているが、コネだけはちゃんとあって仕事もきちんとある。
国内は治安の維持に必死で、移民を厳しく取り締まっている。
人類の最後の希望と言われていた人類最年少のアルゼンチンの青年が刺殺され、全世界が悲嘆に暮れたその日、彼の元妻ジュリアンが率いる組織の人間に拉致される。彼女は移民政策に異を唱える反乱組織のリーダーで、ある移民のために、国外に脱出するための通行証を都合して欲しいと、コネのあるセオに求める。
なんとか通行証を手に入れたセオだったが、その移民には大きな秘密があった。
舞台設定が大変面白い。先進国各国でどんどん深刻になりつつある少子化問題であったり、またなんとなく仄めかしているウイルスの世界的蔓延、またその生殖機能への影響だったり、近未来の話でありつつも現代で起こっている話がベースと言ってもいい。
最初は及び腰で手伝っていたセオだったが、ジュリアンの死がきっかけで、この大きな秘密を命がけで守ろうとする強い意志を持って行動しているところに共感した。
そりゃそうなるよね、命を懸ける価値がある。
後半の見せ場になる戦闘シーンはほぼ戦争。セオは一般人だからもちろん銃を持ってバンバン殺していくわけではなくひたすら逃げ回るしかできず、それでも命からがら移民を助けて自分も逃げるんだけど、その時周囲もあることに気づき、一斉に戦闘の手が止まる。鳥肌が立った。
エンディングも救いのあるもので、前半のぬるい展開からは予想できないいい映画だったな。
しかし、マイケル・ケイン御大、ここにも出てましたか…。
無慈悲な世界
子供の生まれない世界
TOMORROW
命が生まれ出るシーンが神々しい。
SF的要素が強めの作品かと期待して観始めたが、リアルな殺戮シーンがウクライナ、ガザ地区のドキュメンタリー映像と重なり、観ていて辛くなった。
クローン技術が加速してそう。
BS松竹東急を録画にて鑑賞 (吹替阪)
臨場感がもの凄いディストピア
もうすぐ2027年‼️
この作品は21世紀に作られた最高の近未来SF映画の一本‼️急激な出生率の低下の果てに、ついに人類が繁殖能力を完全に喪失した未来‼️どうしたの、男たち⁉️それから18年後の2027年。人類最後の子供を妊娠した女性を、秘密の支援団体に送り届けることになった官僚のセオは、政府軍と反体制勢力との衝突で戦場となった街中を必死でくぐり抜ける・・・‼️2027年は3年後‼️出生率の低下、繰り返されるテロ活動、荒廃した街並みみたいな映画で描かれる "2027年の未来図" が決して空想ではなく、現実的でリアルなものとして描かれていて、チョー震えます‼️公開当時から、ワンショット撮影の迫真性が絶賛されていましたが、冒頭の爆破テロシーン(爆風によろめくクライヴ・オーウェン)‼️乗用車が襲撃されるシーン‼️出産シーン‼️そして10分以上の長回しによるクライマックスの街中を脱出するシーン‼️どのシーンも見事と言うしかないのですが、特にクライマックスのシーンは凄まじい戦闘シーンと、赤ちゃんを見た敵方の兵士たちが一斉に戦闘を止めるシーンに代表される、"希望への祈り" みたいな崇高なシーンが平行して描かれ、新たな命へ差し出す人々の手や視線は、荒んだ人間関係を超越した感動に満ちていて、涙なくしては観れませんでした‼️音楽をキングクリムゾンやローリング・ストーンズ、ピンク・フロイドをはじめとする70年代のロックが使用されており、世紀末というか世界の終末観というのがよく出てると思います‼️そして極めつけはラスト‼️波間に揺れる母と赤ん坊を乗せた小船の前に現れる「トゥモロー号」という船‼️役目を終え息絶えるクライヴ・オーウェンのカッコ良さ‼️赤ん坊の「泣き声」が「笑い声」に変わる最後の瞬間も、いつまでも胸に残るチョー名作‼️素晴らしいです‼️でも2027年はもうすぐですよね‼️
考えるな感じろ!
原題children of menがどうしてトゥモローワールドに、、、?
SFはフィクションの究極系。
こんなのありえない…と思いながら鑑賞を進めるが
精巧なカメラ回しにまるで世界のニュース映像を観ているかのように錯覚。これほどまでの没入感は稀
2022年(鑑賞年)現在、
ありえないはずの出来事が実際海の向こうで起きていることが信じられない。やはり戦争は許されない。罪のない人間がなぜ政府の犠牲にならなければ行けないのか?一刻も早く平和が訪れますように。胸が張り裂けそうです
人間の欲望というよりは人間の恐怖心によって現代は子供が生まれなくな...
マリア様…誕生
久しぶりに、近未来を舞台とした凄い作品に出合うことができた。
2027年、子供が生まれなくなり、この先に望みもなく、人々は、ただただ年老いていくだけの世界。心も荒み、その中で起こる内乱や戦争、移民問題等、荒廃した世の中を舞台として、重いテーマをずっしりと覆い被せてくる。
不妊となった原因については、遺伝子操作なのか、ウィルスなのかは明確にはしていなかったが、作品の中で、「数年前に世界的に大流行した、インフルエンザ…」というセリフがあり、現在、世界が疲弊している新型コロナの現状を想起させた。
そこに、妊娠した移民の若い女性が現れる。主人公である、イギリス市民のセオが、政府軍、内乱軍の全てを敵に回し、人類にとっての大きな希望となる小さな命とその母を、命がけで守り抜いていくストーリー。
最初は、街も人の心も荒廃したシーンが続き、ホロコーストを彷彿とさせる移民への扱いに、辟易する感覚があった。次第にセオ達も内乱の中に巻き込まれ、後半の街中での銃撃戦は、戦争映画以上にリアルだった。いとも簡単に、無残にも人の命が亡くなっていく様は、テレビ画面で映し出されるアフガニスタンの現状と重なった。自分が戦場にいるかのような、迫力ある映像が、ワンカットで続いた。
そして、ラスト。戦場の中に響く赤ん坊の泣き声によって、銃撃は鎮まり、戦士や移民達が敵味方なく見守るシーンは、何故か、目頭に熱いモノが湧き上がってきた。正に、人類の希望となる、光り輝くマリア様の降臨のようなシーンであった。
本作は2006年作品であり、21年後の近未来を描いているが、2021年の現在にしてみれば、コロナの恐怖やタリバンの復活等、決してSF映画と片づけられる内容ではないような気がしてくる。
生命の希望
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