「映画館で見たい作品」スワロウテイル 鯨さんの映画レビュー(感想・評価)
映画館で見たい作品
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岩井俊二作品を、リップヴァンウィンクルからはじめて、あまり合わなかったので今まで見ていなかった。
1990年を代表する作品だっただろうけど、
今見ても全然色褪せない。
特にグリコ役のCHARA。アゲハ役の幼い伊藤歩。
特に伊藤歩以外のアゲハなんてもう考えられない。
中国語なのか英語なのか日本語(カタコト)なのか。
言葉があんなに断片的なものだけで、世界観を表現できるものなのかと思った。
最初と最後のモノローグ、見る前と見た後では印象が違う。
円の価値が一番高かったころ。
イェンタウンは日本(円街)のことでありながら、日本人はその言葉を嫌い、日本に出稼ぎに移民してきた人たち(円盗)のことをさすようになったーーー。
貧富の差が激しく、底辺を喘ぐ人たちにとって
円を稼ぐことは富の象徴で、今の場所から抜け出すことと同義。
ひょんなことから偽札製造に関わることになり、それで得たお金でグリコの歌うライブハウスを作る。
グリコは売れ、スターになる。
離散する仲間、露見するスキャンダル、それぞれが本当に欲しかったもの。
2時間映画館に缶詰にされて、ずっとスワロウテイルを見て、満たされていたい。
街の風景がとてもとてもきれいな撮り方で、
まるで自分がそこにいるようなリアルさがあった。
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