弓のレビュー・感想・評価
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初めて見たキム・ギドク
2009年4月5日TNC系列地上波でこの作品を初めて見て、一瞬でキム・ギドクの虜になった。この13年で様々なキム・ギドク作品を見て来たがその世界観に今でも酔いしれる。この作品がのちに韓国版ミートゥ―運動で告発されたキム監督の変態性を象徴する作品のように言う人がいるがそういう人はそもそも映画は見るべきではない。宗教団体が作った映画か、戦時下に国の認可でも通った作品だけを翼賛していて下さい。それはさて置き、この作品の最後の婚礼の場面からのエンディング迄の不可解な映像の連続である。基本は婚礼にこだわる事から何か儀礼的なターニングポイントとなっていることが推察される。思うに老いと死の帰結としての再生がテーマか。少女の官能の姿態はヘタな男女の交歓以上のエロティシズムの極みである。
喋れーって!?
監督の「メビウス」を観てからのコレだからって「海の上のピアニスト」かよって観てないが。
青年は置いてけぼりな二人の世界観に若干引いている?ってか感動してるよ!?
さっき放った弓かよ!って忘れていた性器を放って突入開始!?
ツッコミ所満載なのは相変わらずだが面白いキム・ギドクにハマってしまう。
父の娘に対する欲望の全てを描く
「サマリア」に出ていた少女が主人公。そして、「うつせみ」にも増してセリフの少ない作品。
6歳の少女を拾い船の上で育てる老人が、その少女が17歳になったら結婚をするという。この作品も寓話としてとらえなければ、少女を監禁して成長を待ってから自分の性行為の相手にするという、ただの変態じじいの犯罪を描いたものになってしまう。
幼いころから自分の手の中で育った少女をいつまでも手元に置いておきたい。自分とその少女との一対の関係の中には、なんびとたりとも介入させたくはない。そのような、ときに近親姦的なものも含めて、父親が娘に対して抱く欲望を映画は描いているのではなかろうか。
生殺与奪の権を握っていながら、その愛情ゆえに最後には自らが身を引いて、娘を外の世界へ送り出してやらねばならない。最期はそのような父親の悲哀を描いているように思えてならない。
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